報告と出発
2話目です。
ファッションむっず!
「それで報告ていうのは?」
偶然出かける用事のない日にジミーが報告があるというのでヘイデンの執務室で彼の報告を聞く。
「はい。今朝、気味悪く都市中心部のハイド•パークにて前回騒動を起こした闘技場の管理人が首を吊った状態で発見されました。」
「ふむ。」
また取り逃がしたか。
この所、探ろうとした相手をこちらが見つけるより先に始末されている。
「先々週の首吊り死体と関連は?」
「いいえ。無いと見て良いでしょう。坊主に身元を探らせてますが、近くの死体はヘイヴァリング地区を根城にしてる組織の下っ端と今回の管理人は繋がりが今の所見当たらないと。」
「ふむ?これは困ったな。」
せっかくリーティエの故郷に繋がる情報がこれで手に入ると思ったがダメだったか。彼女になんて言おうか?
そう考えてるとドアがノックされた。
「入りたまえ。」
私がそう返事すると息子のトーマスが部屋に入室した。
「これから出かけるからそれを伝えにね。」
「そうか。もうこんな時間....おや?」
壁掛け時計を見ると事前に聞いていた時間はとっくに過ぎていた。
「もう出かける時間を過ぎてるじゃないか?」
「あぁ、出かけようとした時にいつもの格好をしてたリーティエにクラリスが怒ってね。持ってきてたトランクと一緒に部屋に入っていって、さっき準備出来たて教えられたからこうして出かける事を言いにね。」
「そうか。」
彼女の―いや、彼女の母親の事を考えるとそうするのも納得だ。
何せリーティエは息子のお下がりを着てたからね。
彼女に服を用意すると言ったが男物が良いと言った。
曰くスカートとかは動きづらいから嫌なのだと。
「それじゃ二人が待っているからそろそろ行くね。」
「あぁ、いってらっしゃい。」
私はそう言ってトーマスを送り出す。
この前命を狙われたからなのか頭によぎることがある。
私はあと何回いってらっしゃいといってやれるか。
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「ふふーん!改めて見るとやっぱりきれいだねぇ!」
クーちゃんは私の格好を見て満足している。
いつもの男物の服を着てたらクーちゃんに両手を掴まれて私が使っている部屋へと連れて来られた。
曰く「女の子はねぇ!遊ぶ時、一世一代の勝負の時にはおしゃれするんだよ!」だそうだ。
それから着替えさせられたり、脱がせられたりと目が回るような振り回され方をされた。
そして最終的に白いシャツにその上から黒いワンピース。
腰に剣を吊るした剣帯を腰に巻き、靴は履きなれたブーツを履いた。
家で着てたドレスより身軽で窮屈ではないがやっぱりスカートの裾が踏まないか気になってしょうがない。
「変じゃないかな?」
「全然変じゃないよー!」
最近流行っているというシンプルな薄い緑のワンピースに白い手持ちの小さな鞄を持ったクーちゃんがそういう。
まぁ、クーちゃんがそういうならそうなのだろう。
「お待たせ。」
屋敷の門で待っていた私達二人の元に黒に近い青のシャツに暗い橙色のネクタイ。
同じ暗い橙色の上着とズボンを纏ったトーマスがこちらに来た。
「待ったせたね。」
「うんうん!全然!楽しみで楽しみで仕方がなかったよ!」
クーちゃんが楽しそうにトーマスにそう言った。
「それじゃ行こうよ!」
クーちゃんにそう急かされて。私達は歩み出した
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