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輝くそれは

秘策があると言っていたが何をするのだろう。

そう考えてると奥様から注意を受けた。


「こらリーティエ。手が止まってるわ。」


「はい。」


今、私はダンフォード家の屋敷の一室にてトーマスとクーちゃんと共に学んでいる。

それぞれ別の事を学んでいるが私は読み書きを学んでいる。

なんで読み書きを学んでいるのかと言うとこれは私が働く上での条件だ。

教師はダンフォード家の奥様だ。

なんでも元々奥様は有名なシカンガッコウという場所で教師をしていたとの事。

余計な考えをやめ、文章を覚えるのに専念する。

この言語が面白いのだ。

今教えてもらってる言語は驚く事に私の使っていた言語と似てる箇所があるのだ。

例えば名詞と結びついて、その名詞を主要部とする名詞の定性や特定性を示す要素があるのだ。

ただ、元々使っていた言語とは違いこちらの言語には男性名詞や女性名詞がなくシンプルになっているのだ。

他にも文章の際にも同じ組み立て方をしており、主語次に動詞その次に目的語という同じ感じで組み立てるのだ。

ただ、発音に対して大きな違いがあり、今習っている言語は様々な文化との交流があった事により一目見ただけで単語の発音が複雑とかしてて、更に私が元々話してた言語と違い黙字という文化が無いのだ。

そのせいでしょっちゅう発音の際に間違いをしてしまい、注意されている。


私達がしばらく勉強してると扉がノックされる。


「奥様。そろそろお時間です。」


この家の執事が時間を知らせてくれた。


「そう。じゃあ今日はここまでね。」


奥様がそう言って終わりを告げる。

私はクーちゃんに謝ろうと声を掛けようとするが、


「すいません。今日はこの後演技を教わらなきゃいけないので失礼しますね。」


クーちゃんは部屋を足早に立ち去った。

また謝れなかった。

どうしよう。

どうすれば良いんだろう。


「ねぇ、最近二人共どうしたの?」


トーマスが心配をして話しかけてくれた。

でも、話して良いのだろうか?


「クラリスの事なら任せてよ。付き合いは長いから。」


トーマスは私よりクーちゃんの事を知っている。

だったらトーマスになら言っても良いだろう。


私はこの前あったクーちゃんとの事を伝えた。


「僕がいない間にそんな事が起きていたんだ。」


「うん。」


「とりあえず事情は分かった。後は僕に任せて。話し合いの場を用意するよ。」


「良いの?」


「あぁ、リーティエは僕の友達だし、長い付き合いのクラリスが困ってるんだ。当然力を貸すよ。」


「ありがとう。」


「何、礼に及ばないよ。そうだ。朝食で言ってた通り今日は仕事先にすぐに行かないと行けないんじゃ?」


そう言われ、時計を見る。

いけない。すっかり忘れてた。


「ありがとう。行ってきます。」


私はトーマスに礼を述べ、屋敷を出た。

屋敷を出てしばらく歩き、ぶら下がった死体に見物をしに群がる人々の脇を抜け。

しばらく歩き、噴水広場を抜けてまた歩いて食堂へと到着。


「こんにちは。」


「やぁ。来ましたねリーティエ。」


まだ開店前の店内にハドリーさんがいた。


「今。来た?」


「えぇ、都市中を回って材料を探してたので時間がかかりましたがね。」


ハドリーさんがパンパンに膨らんだ大きな茶色の紙袋を見せる。


「さぁ、開店までの時間はありません。ちゃっちゃと作りましょう。」


私達は厨房へと向かった。


「では、早速始めましょう。」


そう言って紙袋の中身を厨房の台の上へと並べっていった。

中身は卵に瓶に入った黄色い液体、同じく瓶に入った魔力が宿ってる液体。

そして最後に青白い粉。


「リーティエ。あなたもこれから作っていくでしょうからよーく見ておきなさい。」


そう言って卵をボウルに割っていく。

ただ、割っていくのではなく卵の殻を使って卵黄と卵白を分けて行く。


「次に塩、ビネガーそして南東のダンジョンから取れる火吐き草から抽出した植物油を混ぜる。」


ハドリーさんは調味料を入れかき混ぜていく。

ボウルの中に白いドロっとした物が出来上がっていく。


「最後にタギィールマスクフを加えて混ぜる。」


今なんて?

そう思った瞬間ボウルの中からまばゆい光が溢れてきた。

私は思わず目を瞑って呻き声を上げてしまった。

何だったんだ今の光は?

私は恐る恐る目を開けるとそこには虹色に輝く物体があった。

何これ?


「成功です!新大陸で教わった料理を格段に美味しくする製法!それをこの国で再現出来るか心配でしたが杞憂でした!さぁさぁ味見をしましょう!」


どこから取り出したのか干した肉を軽く炙り皿に盛り付ける。


「出来ました。干し肉とマジャラト ダルビッタバナビを添えて。」


「何それ?」


さぁさぁと味見を促される。

私は躊躇いながらも干し肉にマジャえーとなんだけ?そう虹色に輝く物体を付ける。

その物体を干し肉に付けると物体が今度は赤い輝きを放つ。

何これ?これを口に入れるの?

しかも僅かながらエーテルが漏れてるのが見える。

何これ?


「ほう?それはファイアーリザードの干物ですか。となると辛くなると思いますので気をつけてください。」


私はその注意を聞き、恐る恐る口に入れる。

口の中に火が生まれた。

そんな錯覚を覚えるような辛味が口全体に広がるだが、火は一瞬で消え、清涼感を感じる風が口に広がる。

なんだろう。これ。


「族長曰く火の力を持った魔物の肉はその力により生命の火をより激らせると。ほら、まだまだありますからもっと食べてください。」


私は干し肉輝く物体付きを食べ、次に手を伸ばす。


今度はなんだろう。


次に取った肉を輝く物体に付ける。今度は黄金の輝きを放つ。


「その輝きはビッグモールですね。深い味わいオススメです。」


それを聞き、食べる。


揺れた。そう錯覚するような感覚に襲われた。それはまるで大地の力強さとあらゆる物を生み出し、そして終わりを向かいいれるそんな味だ。


「これ!美味しい!良い!」


こんな付ける物によって味が変わるなんて今まで食べた事ない!

眩しくて食べづらいけどそれを差し引いてもとても美味しい。


「ハハハ!それは良かったです。ですがこれだけではダメです。」


?これだけではダメとはどういう事だろう。


「いくら素晴らしい物を作りあげたとはそれを知れ渡らなけばなりません。そこで今度は宣伝を行いましょう。」

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