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まさか君は

燃え盛り、崩れていく救貧院を進んでいく。

熱い。

でも、ここにしか手がかりがない。

なんとかして探すしかない。

でもどこを探す?

ふと扉が一つ開けたままの部屋があった。

そこに入っていく。

そこは救貧院を脱出する際に入った中央に魔法陣が描かれていた部屋だ。

その部屋には白衣を着た青白い肌の細い男がいた。


「あぁ!あの資料は貴重だ!あの記録も大事だ!あ、あとあの記録はどこだ!」


男はトランクに本棚の本等を乱雑に入れている。


「ねぇ?」


私が男に声をかけるとびっくりしたように体を震わし私を見る。


「お、お前は!あ、あ、あいつに迎えに行かせたモルモットじゃないか?な、何故ここにいる。」


私は片手を胸に当てる。


「戻して。」


「はぁ?」


「私。『聖王国』。戻して。」


「!」


男は驚いた表情を私に向ける。

一体なんなんだ?


「その言葉!NXBSVHSHSISHをその名で言うとはまさか!まさか!」


男はわなわなと人差し指を向ける。


「成功していたんだ!今回の改良版は良かったんだ!」


男はその場で小躍りをする。

変な男だ。


「早く。戻して。」


『まぁ、まぁ、待ちなされ。』


男の喋る言葉が変わった!?

私がここに攫われてくる前に使っていた言葉を話している。

だが、何故か見た目よりも古い言葉で話してる。


『その言葉を話せるのね?ならこっちで話して。』


『あぁ、良いだろう。「ふ〜ん」成功体2号君。』


成功体2号?どうゆう事だ?それより早くしないと。


『それより早く私の家に帰る方法を教えなさい!』


『ふむ?良いだろう。だが、ここでは出来ん。手伝わんかい。まずはだな。』


その時。


部屋の中央の魔法陣が描かれていた床が爆発した。


『う、うぅ。』


少しの間、気が飛んでたが私は倒れてきた箱をなんとか退かし、這い出る。

一体、どうなったんだ?

私はキーンとする頭のまま周りを見渡す。


「うぅ、ゲホ!ゲホ!」


咳き込む声の方を向けるとあの男が白衣の所々を血に染め、下半身を重そうな箱に挟まれるように倒れていた。


『大丈夫!?今助ける!』


私は倒れてる箱を退かそうとするが中身に何が入ってるのか分からないが重くて持ち上げれない。


『「はぁ、はぁ、」トランク。トランクの中の資料は』


私はトランクのあった場所を見るがトランクに火の手が移り、燃え上がり始めていた。


私は男に向けて首を横に振った。


『そうか。あぁ、そうか。もうダメか。』


男が部屋を見渡す。


「資料が。記録が。失われていく。知識が。」


男からどんどん生気が失われていくように見える。


『ねぇ!何悟った顔をしてるの!死ぬな!』


私は男の血に染まった傷に手を向ける。


『“痛みよ。癒えよ”-セフェイマロ ギルエ-』


私は魔法で傷を癒す。


『あぁ、これが彼の国の魔法という物か。』


『何してるのよ!早く帰る方法を教えなさいよ!』


男は驚いた顔をして私へ顔をゆっくりと向ける。


『君。まさか自分の状況を理解してぬのか?』


『状況?こんな火事なんとでもなるわ!』


私がそう言うと男は笑い出した。


『何よ。何が可笑しいのよ!』


『いやいや、なんと笑える事だ。いや、本当に笑いが止まらなぬ。』


その後も笑い続ける。


『笑うな!』


私は男の襟を掴む。


『断言する!君は!今後一切!家に帰る事も出来ぬ!家族にも受け入れられる事もない!』


なおも弱々しく笑い続ける。


『ねえ!どうゆうことよ!ねぇ!』


私が問い詰めるが男は力尽きたように死んでしまった。


『ねぇ。ねぇ!待って!死ぬな!返せ!私を家に返せ!』


私は泣きながら、男を揺さぶるが何も反応しない。


『ねぇ!ねぇ!』


私は男の死体に泣きながら縋るように揺する。


「いたか!早く脱出するぞ!」


突然。私は体を持ち上げられる。

私を持ち上げた男の顔を見る。

あれはセイジという名の大人だ。

それより。


『離して!手掛かりはここにしかないの!』


私は泣きながら暴れる。


「ええい!暴れるな!今は脱出が先だ!」


待って!離れて行こうとしないで止まって!


あの男からどんどん離れていく。

そして部屋を出た。


「クソ!出口が塞がってる!こうなったら!」


私は脇に抱えられ、もう暴れる気力もなくただ泣くしか出来なかった。


「行くぞ!歯を食いしばれ!」


セイジと私は窓を突き破り、救貧院を脱出する。

その後は私はただ何事もどうでも良くなり、上の空になり何か布を掛けられた事にも反応せず、ただ絶望感に支配されていた。

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