第四話 邂逅
翌日。
一晩寝てなんとか動けようになった体を引きずって案内された場所へと向かう。
迷いはあるものの、今は流れに従うしかない。何ができるのか、何をやらなければならないのか、まだ何もーーーわからない。
目的地であるお堂に入ると、目についたのは6人の男女。基本的には日本と大して変わらない容姿のハズなのに、この6人は異彩を放っている。
一人は銀。後ろでひとまとめにした輝く銀髪と、鋭い目つきでこちらを睨んでいる女性。
一人は赤。炎のような真っ赤な髪。顔つきからして欧米人だなと思わせる彫りの深い造形でこちらに向かって何事か話している男。
一人は緑。長い髪の先だけが不自然に緑に染まり柔らかそうな笑みを向けて此方を眺めている女性。
一人は白。黒の中に一房白く染まった髪が垂れ、不安そうな表情を浮かべている少年。
一人は黃。ガッシリとした体つきと、それに相反するようにふざけてるのかと聞きたくなるような黄色のパーマ。一人目を閉じ我関せずという態度をとっている男。
一人は金。太陽の如き輝きを体現したかのような眩しい金髪。その表情も太陽のような輝かしい笑顔を浮かべている男。
なんというか、俺も体のどこかに青が入ってたかなと疑いたくなるような面々。
俺の体は変になってないよな、とちょっと不安になりつつも、席へと座らせられる。
すると、俺達から離れたところにいたお爺さんが声を張り上げる。
「さて、揃ったの。拝命式を始めよう。
ーーーでは、【月の騎士】よ、前へ。」
「は!」
声とともに前に進み出たのは銀髪の女性だった。
「おんしを【月の騎士】と任命し、この刀【宵月】を預けよう。これより『宵月夜姫』と名乗りたまえ。」
「は!」
次に呼ばれたのは赤髪の男。
「おんしを【火の騎士】と任命し、この斧【篝火】を預けよう。これより『篝火アイク』と名乗りたまえ。」
「ウ、ウケタマワリマシタ。」
そして、次は【水の騎士】ーーー俺の番だ。
「おんしを【水の騎士】と任命し、この弓【秋水】を預けよう。これより『秋水火華』と名乗りたまえ。」
次は緑の女性が。
「おんしを【木の騎士】と任命し、この鎌【朽木】を預けよう。これより『朽木蕾』と名乗りたまえ。」
「はい。かしこまりました。」
白の少年が。
「おんしを【金の騎士】と任命し、この槍【黄金】を預けよう。これより『黄金鎚』と名乗りたまえ。」
「は、は、はい!」
黃の男が。
「おんしを【土の騎士】と任命し、この盾【浄土】を預けよう。これより『浄土戟』と名乗りたまえ。」
「……。」
そして金の男が。
「おんしを【日の騎士】と任命し、この剣【落日】を預けよう。これより『落日太陽』と名乗りたまえ。」
「ありがたく頂戴いたします。精進を忘れることなく役に励みます。」
それぞれが神器と呼ばれる武器を受け取るのであった。