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魔女と助手シリーズ

自分の発明した魔法とかでエロい目にあわされる魔女の助手2

作者: 日暮キルハ

「研究にね、失敗は付き物なんだよ」


「作るものからして失敗してましたけどね」


「ちょっとでもこのストレス社会を生き抜く糧になればと思っただけなんだよぉ……」


「その結果が子供に見せられないモンスターの完成ですか……」


「ある意味癒し効果はあったよね。性的な意味で」


「もう一生喋らないでくれます?」


「ちょっ、そんな汚物見る様な目で見ないでよ。興奮するだろ?」


「……」


 と、こんな感じで今日もポンコツ天才魔女は絶好調だ。


「それで? 今日は何を作ったんですか? いい加減くだらないものばかり作ってないでちゃんとした魔法の開発とかしてくださいよ」


「くだらないものなんて私は作ったことないよ。時には失敗することもあるけれど、それもまた次の成功につながるわけだからね。ちなみに今回のも前回の失敗から学んだことが活かされているよ」


 少しムッとしたような表情で魔女は人差し指を立ててつらつらと語る。

 お前最近失敗の方が多いぞ、と言ってやりたいところだがそれを言ってしまうとまた話が長くなるのが目に見えているのでここはグッと我慢。


「はぁ、それで? 一体何を?」


「うん。スライム」


「さては前回の触手生物から何も学んでないな?」


 問いかけに対して満面の笑みで魔女が取り出したのは魔女の両手に載るサイズで半透明の青いゼリー状をした怪物。たしかにこいつはスライムだ。魔物として討伐されるものに比べると少しサイズが小さいがそれを除けばまごうことなきスライムだ。

 

 こいつ、またやりやがったよ。


 前回の失敗から一体何を学んだのだろうか。異形の怪物に良いようにやられることへの快楽でも学んだのだろうか。死ねばいいのに。

 そもそも前回の触手生物の時も疑問だったけど、魔女は一体何からこの手の怪物を作っているのか。仮に無から作り上げているのだとすればそれは間違いなく今の世界の常識を覆しあらゆる分野の研究を飛躍的に進歩させる発見に違いない。

 頼むから才能の無駄遣いやめて。


「いやいや、学んだよ? 学んだからこその今回だよ!」


「はぁ、一体何を学んだらまたその手の怪物を作り出すことになるんですかね。まさかとは思いますけど、どうせ俺が助けるから一時の快楽に身をゆだねても大丈夫とかバカなこと考えてないですよね?」


「ち、違うって。たしかにこの間の触手君の責めはなかなかのものだったしなんなら最近の毎晩のお供は君がズタズタに引き裂いて殺した触手君の残骸の一部だったりはするけど……。でも、それとこれとは別! 私は研究に私情を挟んだりしないよ!」


「とりあえずあとでその残骸渡せ。燃やすから」


「えぇっ……まぁ、助手君の触手があるから別にいいけどさ……」


「俺の触手……?」


「ほら、下半身に一本あるだろ?」


「死ねよ」


 真面目な顔して何言ってんだこいつ。


「ところでさ、ふと思ったんだけど。独身女性がペットを飼うと結婚できないってジンクスみたいなのあるよね」


「……えぇ、まぁ。根拠があるわけではないですけどありますね」


「あれってさ夜のパートナーにペットがいてくれるから異性はいらな――」


「絶対違いますね。というか今すぐ全世界のペット飼ってる独身女性に謝れ」


 ほんとに真面目な顔して何を言ってるんだこいつは。


「あとね」


「もういいですから。早くそのスライムについて聞かせてください。一体前回の失敗から何を学んだんですか?」


「えっと、触手君の問題点はね、言うことを聞いてくれなくて危なくなった時に処分する方法が核を潰す以外になかったことだと思うんだ。だから、今回のスライム君はもっと簡単に殺せるようにしたよ!」


「絶対にペット飼わないでくださいね」


 ナチュラルにペットとモルモットを混同してそう。

 躾けろよ。殺すな。


「具体的にどういうことかと言うと食べられるようにしたんだ」


 と言って魔女はおもむろにスライムにかぶりついた。

 

「うわぁ……」


「味にはこだわったからね。凄く美味しいよ」


 あまりの絵面の悪さにドン引きする俺にかまわずどこか自慢げに魔女は語る。

 というかお前は一体どこを目指して何を作ってるんだ?


「これでうっかりペットとじゃれ合ってたら殺されちゃったっていうリスクは減らせるよね。食べるだけだし」


「そもそもペット飼うのそこまで命がけじゃねえよ」


 どこ探したって触手生物やらスライムをペットにしてる家庭なんてない。

 勝手に殺されるリスク作ってそのリスクを解決しているのだからマッチポンプもいい所だ。


「でもねー、一つだけ問題があって……」


「……?」


「なんかこの子食べられる快感に目覚めちゃったらしくてね」


「……は?」


 食べられる……快感?


「口を見るや否や飛び込んでくるんだよね。上の口ならともかく最近じゃ下の口にすら飛び込む有様でさぁ。『コラッ!そこは口だけど違うでしょ!』って叱ってるんだけどなかなか分かってくれなくて……」


「お前はほんとに何を作ってるんだ……?」


 というかもっとちゃんと怒れ。ちょっとうまいこと言ったみたいなドヤ顔でこっち見んな。

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