悲恋桜
Gift Of Memories ボイスドラマシナリオ
悲恋桜
制作:Gift Of Memories
シナリオ:やんちゃ
一つ、悲しいお話をしよう
この桜が散れば、誰かが失恋したということ
目に映る花びらは、美しい程に綺麗で
あなたとの恋と、私の想いを散らすかのように
また一つ、涙が舞い落ちた…
キャスト
桜 (はるりん)
誠 (やんちゃ)
クラウン (ケンタロー)
ローズ (泣きボクロ)
芽衣 (せいこ)
京 (カズー)
+ キャラ設定 +
桜 台詞数14
高校2年生、ショートヘアーが似合う明るくて可愛い女の子
春生まれで桜と名付けられ、花も桜が好き
好きな男の子に告白することを決意する
誠 台詞数11
高校2年生、桜と同じクラス。いわゆる普通な男の子
だらしないとこもありながら、ホントは優しい奴
クラウン 台詞数13
悲恋桜を守っている精。見た目は人間だが不思議な力を発揮する
クールで正義感あるイメージ
ローズ 台詞数12
キリっとしたお嬢様系キャラ。冷静な判断と行動力を持っている
過去の痛みを背負い、悲恋桜を刈ろうとしている
芽衣 台詞数12
ロリ傾向なツンデレキャラ。可愛く生意気なイメージ
京の妹的な存在。本人は京に惚れているがずっと妹で居たいと思う
京 台詞数11
スポーツ万能、成績優秀と、何でも出来る優等生
芽衣の兄的存在、女の子に優しいこともあり、みんなの人気者
「第一話」
桜:あなたを愛しています。今でもずっと、この想いは届かないのでしょうか…
誠:一つ、悲しいお話をしよう。この桜が散れば、誰かが失恋したということ
目に映る花びらは、美しい程に綺麗で
桜:あなたとの恋と、私の想いを散らすかのように、また一つ、涙が舞落ちた…
(高校、教室)
桜:わわわ〜、遅刻遅刻〜っ! はぁ、危なかったー、チャイムぎりぎりだよ
誠:遅かったな、桜にしては珍しいな。寝坊でもしたのか?
桜:はは、まぁ、そんなとこ。昨日タモルの宇宙研究会って番組見ててさー、見た見た?
誠:夜中のやつね、さすがに寝てたな。お前もそんな遅くまで起きてるから寝坊すんだぞ
それにしても、今日もかったりぃな。また一日学校かよ…
桜:学校楽しいじゃない、みんなとワイワイ出来るし
誠:それは確かにあるな。遊びに来てるって言われそうだけど。あ、あれ、桜か…
桜:えっ、何?呼んだ?
誠:いや、お前じゃない、咲いたな、あの桜
桜:悲恋桜だね、咲いたんだ、綺麗だね。あの桜、昔から伝説があるらしいよ
誠:伝説?なんだそりゃ?
桜:(学校から見える一本の木。それは毎年綺麗な花が咲く
でもそれは少し儚げで、切なそうで、悲しい色をしていた…
桜:帰りに行ってみようよ。ね?良いでしょ?
誠:そういうと思った。よし、行くか、俺もそんな気分なんだ
桜:気が合うね。やった、ははっ^^
(桜の木)
誠:風が気持ち良いな。こんなに暖かいなんて
桜:花びら一つ落ちないで綺麗に咲いてる。良いな〜、乙女心爆発だよ
誠:乙女なのか…桜も女の子なんだな
桜:当たり前だよっ。あのさ…聞いて欲しいことがあるんだ、えっと、えっとね、私…
誠:なぁ桜、俺さ、好きな人が居るんだ
桜:えっ?そ、そうなの?な、何?いきなり、だね
誠:あぁ、一番仲良いお前には話しておこうと思って、俺、ずっと前から、A組の…
桜:(告白なんて出来なかった。あなたの好きな人は私の一番の友達…
何で、どうしてこうなっちゃうんだろ、ずっと仲良くして、ずっと一緒に居て…
あなたの目の前で、この桜の下で、涙と共に桜の花びらが、一つ、舞落ちた…
「第二話」
(悲恋桜)
クラウン:この花だけは守りぬく。それは遙か昔、君とした約束
俺が命を賭けてでも守らなくてはならないもの
ローズ:その花を散らすために、私が居るとしたなら?あなたはどうするの?
クラウン:お前を殺すまでだ、やっと来たか、待っていたぞ、ローズ
ローズ:あら?遅れてごめんなさいね、私の任務はその木を刈ること
クラウン、あなたとは逆の使命みたいね。それじゃあ、始めましょうか…
クラウン:俺は大切な約束がある、お前には刈らせない、散らせるわけにはない!
ローズ:ふっ、何処のキレイゴトをほざいている、気味が悪いわ
クラウン:その口を叩けるのも、これまでだ、いくぞ!はぁーっ!!
ローズ:おっと、危ない危ない、さすが精の力を持つ者、でも私には勝てませんわ
クラウン:消えた?何処だ、ローズ、お前の動きが… くっ、そこだっ!
ローズ:残念、こっちよ、はっ!
クラウン:ぐはっ。くっ、貴様、そこまでして、どうして桜を狩ろうとする?
ローズ:あいつの大事な物だから、私を心の底まで汚してくれた、あいつの…
今度は私が壊す番だ、私が味わった痛みを、あいつに伝える番だ…
クラウン:過去の復讐といったところか…くっ、はっはっは、無様だな
ローズ:何っ、お前こそ、ただのキレイゴトに縛られ生きているだけの者が!
クラウン:そうかもしれないな、だが、それが俺の生き方だ
ローズ:なんという台詞、そのまま返して差し上げましょう、これが私の生き方…
クラウン:ならば、勝敗を決めるのみ! 終わらせてやる!
ローズ:これが避け切れるとでも! はぁーっ!
(回想)
クラウン:レイミ、君が好きな花は僕が守るから、ここで安心して休んで
そして、ここでずっと君を守り続けるから、だから、約束だ
ローズ:恋の痛みなんて消えるわけない、私は一生この傷を背負って生きていく
死にたい、楽になれるのであれば、消えて無くなりたい
この花のせいだ、こんな木があるから、私の想いは実ることが無かった…
(悲恋桜)
クラウン:伝説があった、悲しいお話があった
ローズ:それは全て、この桜の木から起こる出来事だった
クラウン:呪いの木、そう呼ばれることもあった
ローズ:ただ、私たちは憎しみあい、大切なものを守るため、戦う
クラウン:そんな、そんな悲しい物語…
「第三話」
(晴れた日の公園、噴水広場)
京:「こうして、桜の木を巡る戦いは幕を閉じた… 伝説は引き継がれていく」
芽衣:うぇーん、悲しいよぉ、何でこうなるの?ねぇ、お兄ちゃん
京:そんなこと言われてもなぁ…俺も分からないよ、大事な物を守るために戦う
お互い、目的は別だけど、個人にとっては譲れないものだからね
芽衣:そだよね、うんうん、喧嘩とかと同じものなのかな〜
京:ホントだ、似てる、そうかもしれないね。さーて、これからどうする?芽衣
芽衣:ジュース飲みたい! あたし、ジュース無い!喉乾いたー
京:ちょっ、分かった分かった、ちょっと待ってろ、何がいい?
芽衣:そ、そんなのいつものに決まってるんだからね!
芽衣:(お兄ちゃん、私は、京くんのことをそう呼んでいる。妹みたいに可愛がってくれて
何でも出来て、優しくて…で、何なのこの気持ち、何かもやもやするんだけど…
京:お待たせ、ほらっ!
芽衣:わわっ、冷たい、何すんのよっ!
京:ははっ、ごめんごめん、そんな顔する芽衣も可愛いな〜
芽衣:う〜っ、お兄ちゃんのいじわる!
芽衣:(私のお兄ちゃんが、お兄ちゃん以外に変わることはない
私が、お兄ちゃんを、京くんと呼べる日は来ない
京:悲恋桜、見に行くか?ちょうど今なら咲いてるぞ、満開の桜だ
芽衣:え?ヤダっ、だって、悲しいんだもん、私とお兄ちゃんがどうかなったらヤダもん
京:そんなことならないって。大丈夫、じゃあさ、俺たちでずっと咲かせよう、
芽衣:な、何言ってるの、そんなこと出来るわけないじゃない、バッカじゃないの!
(悲恋桜)
京:(二人で満開の桜を見上げる。眩しいほどの光が目に映る
その光景はただ綺麗すぎて、目を奪われるほど美しかった
芽衣:(悲恋桜と呼ばれた木は、今も儚く強く立っている
花が散らないように、また、いっぱい咲きますように、そう願いを込めて見上げた
京:芽衣、ずっと、俺の妹で居てくれるか?
芽衣:何言ってるの、当たり前じゃない、お兄ちゃんはずっと私のお兄ちゃんなんだから
京:(今日もまた、花は咲く。空いっぱいに咲き誇る、それはまるで、儚き夢のように…




