表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

悲恋桜

作者: やんちゃ

Gift Of Memories ボイスドラマシナリオ

悲恋桜


制作:Gift Of Memories

シナリオ:やんちゃ




一つ、悲しいお話をしよう


この桜が散れば、誰かが失恋したということ


目に映る花びらは、美しい程に綺麗で


あなたとの恋と、私の想いを散らすかのように


また一つ、涙が舞い落ちた…





キャスト


桜 (はるりん)

誠 (やんちゃ)


クラウン (ケンタロー)

ローズ (泣きボクロ)


芽衣 (せいこ)

京 (カズー)









+ キャラ設定 +





桜 台詞数14


高校2年生、ショートヘアーが似合う明るくて可愛い女の子

春生まれで桜と名付けられ、花も桜が好き

好きな男の子に告白することを決意する


誠 台詞数11


高校2年生、桜と同じクラス。いわゆる普通な男の子

だらしないとこもありながら、ホントは優しい奴


クラウン 台詞数13


悲恋桜を守っている精。見た目は人間だが不思議な力を発揮する

クールで正義感あるイメージ


ローズ 台詞数12


キリっとしたお嬢様系キャラ。冷静な判断と行動力を持っている

過去の痛みを背負い、悲恋桜を刈ろうとしている


芽衣 台詞数12


ロリ傾向なツンデレキャラ。可愛く生意気なイメージ

京の妹的な存在。本人は京に惚れているがずっと妹で居たいと思う


京 台詞数11


スポーツ万能、成績優秀と、何でも出来る優等生

芽衣の兄的存在、女の子に優しいこともあり、みんなの人気者










「第一話」


桜:あなたを愛しています。今でもずっと、この想いは届かないのでしょうか…


誠:一つ、悲しいお話をしよう。この桜が散れば、誰かが失恋したということ

  目に映る花びらは、美しい程に綺麗で


桜:あなたとの恋と、私の想いを散らすかのように、また一つ、涙が舞落ちた…


(高校、教室)


桜:わわわ〜、遅刻遅刻〜っ! はぁ、危なかったー、チャイムぎりぎりだよ

誠:遅かったな、桜にしては珍しいな。寝坊でもしたのか?

桜:はは、まぁ、そんなとこ。昨日タモルの宇宙研究会って番組見ててさー、見た見た?

誠:夜中のやつね、さすがに寝てたな。お前もそんな遅くまで起きてるから寝坊すんだぞ

  それにしても、今日もかったりぃな。また一日学校かよ…

桜:学校楽しいじゃない、みんなとワイワイ出来るし

誠:それは確かにあるな。遊びに来てるって言われそうだけど。あ、あれ、桜か…

桜:えっ、何?呼んだ?

誠:いや、お前じゃない、咲いたな、あの桜

桜:悲恋桜だね、咲いたんだ、綺麗だね。あの桜、昔から伝説があるらしいよ

誠:伝説?なんだそりゃ?


桜:(学校から見える一本の木。それは毎年綺麗な花が咲く

  でもそれは少し儚げで、切なそうで、悲しい色をしていた…


桜:帰りに行ってみようよ。ね?良いでしょ?

誠:そういうと思った。よし、行くか、俺もそんな気分なんだ

桜:気が合うね。やった、ははっ^^


(桜の木)


誠:風が気持ち良いな。こんなに暖かいなんて

桜:花びら一つ落ちないで綺麗に咲いてる。良いな〜、乙女心爆発だよ

誠:乙女なのか…桜も女の子なんだな

桜:当たり前だよっ。あのさ…聞いて欲しいことがあるんだ、えっと、えっとね、私…

誠:なぁ桜、俺さ、好きな人が居るんだ

桜:えっ?そ、そうなの?な、何?いきなり、だね

誠:あぁ、一番仲良いお前には話しておこうと思って、俺、ずっと前から、A組の…


桜:(告白なんて出来なかった。あなたの好きな人は私の一番の友達…

  何で、どうしてこうなっちゃうんだろ、ずっと仲良くして、ずっと一緒に居て…

  あなたの目の前で、この桜の下で、涙と共に桜の花びらが、一つ、舞落ちた…

「第二話」


(悲恋桜)


クラウン:この花だけは守りぬく。それは遙か昔、君とした約束

     俺が命を賭けてでも守らなくてはならないもの

ローズ:その花を散らすために、私が居るとしたなら?あなたはどうするの?

クラウン:お前を殺すまでだ、やっと来たか、待っていたぞ、ローズ

ローズ:あら?遅れてごめんなさいね、私の任務はその木を刈ること

    クラウン、あなたとは逆の使命みたいね。それじゃあ、始めましょうか…

クラウン:俺は大切な約束がある、お前には刈らせない、散らせるわけにはない!

ローズ:ふっ、何処のキレイゴトをほざいている、気味が悪いわ

クラウン:その口を叩けるのも、これまでだ、いくぞ!はぁーっ!!

ローズ:おっと、危ない危ない、さすが精の力を持つ者、でも私には勝てませんわ

クラウン:消えた?何処だ、ローズ、お前の動きが… くっ、そこだっ!

ローズ:残念、こっちよ、はっ!

クラウン:ぐはっ。くっ、貴様、そこまでして、どうして桜を狩ろうとする?

ローズ:あいつの大事な物だから、私を心の底まで汚してくれた、あいつの…

    今度は私が壊す番だ、私が味わった痛みを、あいつに伝える番だ…

クラウン:過去の復讐といったところか…くっ、はっはっは、無様だな

ローズ:何っ、お前こそ、ただのキレイゴトに縛られ生きているだけの者が!

クラウン:そうかもしれないな、だが、それが俺の生き方だ

ローズ:なんという台詞、そのまま返して差し上げましょう、これが私の生き方…

クラウン:ならば、勝敗を決めるのみ! 終わらせてやる!

ローズ:これが避け切れるとでも! はぁーっ!


(回想)


クラウン:レイミ、君が好きな花は僕が守るから、ここで安心して休んで

     そして、ここでずっと君を守り続けるから、だから、約束だ


ローズ:恋の痛みなんて消えるわけない、私は一生この傷を背負って生きていく

    死にたい、楽になれるのであれば、消えて無くなりたい

    この花のせいだ、こんな木があるから、私の想いは実ることが無かった…


(悲恋桜)


クラウン:伝説があった、悲しいお話があった

ローズ:それは全て、この桜の木から起こる出来事だった

クラウン:呪いの木、そう呼ばれることもあった

ローズ:ただ、私たちは憎しみあい、大切なものを守るため、戦う


クラウン:そんな、そんな悲しい物語…

「第三話」


(晴れた日の公園、噴水広場)


京:「こうして、桜の木を巡る戦いは幕を閉じた… 伝説は引き継がれていく」


芽衣:うぇーん、悲しいよぉ、何でこうなるの?ねぇ、お兄ちゃん

京:そんなこと言われてもなぁ…俺も分からないよ、大事な物を守るために戦う

  お互い、目的は別だけど、個人にとっては譲れないものだからね

芽衣:そだよね、うんうん、喧嘩とかと同じものなのかな〜

京:ホントだ、似てる、そうかもしれないね。さーて、これからどうする?芽衣

芽衣:ジュース飲みたい! あたし、ジュース無い!喉乾いたー

京:ちょっ、分かった分かった、ちょっと待ってろ、何がいい?

芽衣:そ、そんなのいつものに決まってるんだからね!


芽衣:(お兄ちゃん、私は、京くんのことをそう呼んでいる。妹みたいに可愛がってくれて

   何でも出来て、優しくて…で、何なのこの気持ち、何かもやもやするんだけど…


京:お待たせ、ほらっ!

芽衣:わわっ、冷たい、何すんのよっ!

京:ははっ、ごめんごめん、そんな顔する芽衣も可愛いな〜

芽衣:う〜っ、お兄ちゃんのいじわる!


芽衣:(私のお兄ちゃんが、お兄ちゃん以外に変わることはない

   私が、お兄ちゃんを、京くんと呼べる日は来ない


京:悲恋桜、見に行くか?ちょうど今なら咲いてるぞ、満開の桜だ

芽衣:え?ヤダっ、だって、悲しいんだもん、私とお兄ちゃんがどうかなったらヤダもん

京:そんなことならないって。大丈夫、じゃあさ、俺たちでずっと咲かせよう、

芽衣:な、何言ってるの、そんなこと出来るわけないじゃない、バッカじゃないの!


(悲恋桜)


京:(二人で満開の桜を見上げる。眩しいほどの光が目に映る

  その光景はただ綺麗すぎて、目を奪われるほど美しかった


芽衣:(悲恋桜と呼ばれた木は、今も儚く強く立っている

   花が散らないように、また、いっぱい咲きますように、そう願いを込めて見上げた


京:芽衣、ずっと、俺の妹で居てくれるか?

芽衣:何言ってるの、当たり前じゃない、お兄ちゃんはずっと私のお兄ちゃんなんだから


京:(今日もまた、花は咲く。空いっぱいに咲き誇る、それはまるで、儚き夢のように…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ