魔法少女と得られる力
『……おかしいな』
『ええ、シャドウの反応がないですわね、それに前回とは異なり一般人の気配もしませんわ』
そう言われてわたし達はより警戒する。狭間の世界に強制的に連れてこられたのが自分達だけというなら相手の狙いは──。
「うんうん、よく分かってる!アンタらに用事があってきたんだよ」
「マリス!」
気がつけば街灯の上に立っている少女が1人。一瞬のうちに現れた彼女を前に身構える。
「そんな睨まないでほしいなぁ。今日はアタイしか来てないから。教授もお休みだよ」
手をひらひらと振り、大袈裟な身振りをとりながら少しつまらなそうに喋る。
「そう、なら話は早いわ」
「お?何かそっちから話すことあるの?アタイはね──」
「無いから早いのよ」
「ちょうわー!?」
勢いよく振り下ろされた剣を素っ頓狂な声と共に避ける。街灯は真っ二つに分かれその機能を失う。
「次は外さないわ」
「タイムタイム!今日来たのはアンタのためなんだから!最近親御さんと喧嘩したんだって?」
その言葉に伶さんは動きを止めた。
「なんで知っているの?」
明らかに不機嫌な声と共にマリスを睨む。睨まれた方はたいして気にもしてないようだが。
「細かいことはまあ気にしないで、とにかく正義の魔法少女が喧嘩なんてよくないヨネ!そういうことでアタイから1つ提案があるんだよ」
「今日で終わらせる予定だからいらないわ」
「その方法は?話し合いでしょ?でももっといい方法があるんだ」
マリスの無邪気な笑み。それに不穏なものを感じる。
「その方法はねぇ!やっぱり殴り合いってワケ!」
そう言った直後にキンが話しかけてきた。
「ひかり!シャドウの反応が2体出てきたで!」
「場所は──」
「っ!」
「伶さん!?」
伶さんは血相を変えて飛び出した。慌ててわたしも追いかける。
「ひかり!そのまま伶について行け!場所は伶の家や!」
それを聞いて心臓が跳ね上がるのを感じた。先程のマリスの話、伶さんが飛び出した理由、そしてシャドウの居場所。
「まさか」
嫌な予感がする。とにかく急ごう。




