魔法少女と得られた力
「はぁ……はぁ……」
よくゲームとかでいる再生する敵。
実際に戦うとここまで大変だとは思わなかった。
『ひかり、多分もうちょい右上や』
「了……解!」
シャドウの攻撃を避け回し蹴りを右半身に当てる。力を込めた蹴りの衝撃はシャドウの右半身を消し飛ばす。
「あった!おりゃあ!」
マリスが言っていた"悪意の芽"。見た目はテニスボールくらいの丸い塊だ。シャドウの体内にあるそれを破壊しなければ彼らは再生を繰り返す。
「ふん!」
掴んだ悪意の芽を思いっきり握りつぶす。パン、と風船が割れるような音と共に悪意の芽は飛び散り消える。
が、それだけで終わりではない
「──ええい!」
悪意の芽を破壊されたからと言ってシャドウは消滅しない。ただ再生能力を失うだけ。改めて倒す必要がある。
力を込めたパンチをお見舞いし、ようやくシャドウは消滅する。
「ふう、なんとかなったね」
「すまんひかり、ワイの探知精度がもうちょい良けりゃ……」
悪意の芽はシャドウの体の特定の位置にあるわけじゃなく、各々別の位置にランダムに存在している。普段からシャドウの居場所を見つけてくれるキン、コンはある程度の位置を察知することが出来るみたいだけど、それでも完璧に特定は出来ないようだった。
「ううん、大丈夫だよ。闇雲に探すよりは全然いいしね」
悔しそうに謝るキンを慰める。
「ギァァ!」
「うわっと。キン、なんであれわたしはキンを頼りにしてる。それにまだまだシャドウはいるから落ち込んでる暇はないよ!特定頼むよ!」
「……そうやな!ちょい耐えてくれ!すぐに悪意の芽の位置を見つけるで!」
シャドウの攻撃を耐え、キンの報告を待つ。悪意の芽の位置が分かり次第攻撃に転じて相手を倒す。今わたしにできる最善の戦い方はそれで合ってると思う。
──ただ、1つ思うことがあるとすれば。
少し遠くの方を見る。
「伶さんぐらい広範囲に攻撃できれば良かったんだけどね……」
いつもと変わりない速度でシャドウを倒している伶さんを見ながらつぶやいた。




