料理少女と学園の噂
「良かったね、みんな貰えて」
「うん、まあ、そうだな」
「別にウチは欲しいとか言ってないけどねー?」
フミちゃん、ユウちゃんも可愛らしい袋に数個詰められたクッキーを眺めている。
とりあえず1つ取り出して口に放る。
「うん、美味しいね」
しっかりクッキーが出来上がっている。
「聞いた話だと時間をかけて作ってくれたらしいぞ」
「真剣な表情だったって聞いたわ。私も見たかった……!」
「昔生徒会長のとんでもない速度の調理の動画見たことあってアレもすごいと思ったけど、じっくり真剣に作っているのもいいよな……」
「おぉ、ソワソワしてた彼らがあんなにも落ち着いて」
「結局もらえれば何でも良かったんじゃないの?」
「ははは……」
苦笑いを浮かべつつもうひとつクッキーを食べる。うん、やっぱり美味しい。伶さんはしっかりすれば何でもちゃんと出来るんだなと改めて感じた。
「…………」
「ひかり?どうかした?」
「ん、いや別に。あ、ほらあと残り1個を今もう食べようか考えてて」
「──!」
「え、フミちゃん?」
ガシ、と腕を掴まれる。驚いたような顔で私とクッキーを一瞥すると何かをユウちゃんに耳打ちした。
「他の奴らの所には……」
「え!そんなまさか……」
「どうしたの?」
こちらの問いにも応えずにユウちゃんは教室を見回す。
「確かに……!!考えてみればひかりのだけポケットから……!」
「うむ、これがバレたら……」
「2人とも?」
「!ああ、すまない気にしないで欲しい」
「ほらひかり、ウチももう食べちゃうしひかりもクッキー食べきっちゃえば?」
「こらこらユウ、食べながら話すのは行儀悪いぞ」
星型のクッキーを口の中に放りながらユウちゃんは話している。
まあ確かにユウちゃんの言う通り1個だけ残してもしょうがないか。
「それじゃあ食べちゃお」
そう言いながら最後のクッキーを放り込む。それにしても。
──伶さん、ハートの型を使うの何かイメージと違って可愛らしいな。




