魔法少女と魔道具少女
「伶さん!ルナちゃんは!?」
「安心して、身体には問題ないわ。コンが診てくれたけど大した怪我もないみたい」
「よかったぁ……」
ほっと胸を撫で下ろす。
今はまだ意識を失っているがそれ以外が無事でよかった。後はもう皆んなで帰るだけだと思っていたが。
「──ただ、別の問題がありますわ」
そう言ったのはコン。ルナちゃんの前で腕を組んで悩んでいる。その顔は複雑そうなものだった。
「別の問題?」
「ええ、そうなんですの。そしてその問題の解決にはひかり様、貴女の助力が必要なのです、が……」
少し言葉を濁してコンは喋る。
「?よくわからないけどわたしに出来ることなら任せてよ」
「──そうですわね。ひかり様、はっきりと申し上げます」
コンはこちらをまっすぐ見据え、
「貴女は、ルナ様との──」
「……う、ん」
目を覚ます。最初に見えたのは真っ白な天井。
「ここは……」
「病院よ、やっと起きたわね」
「え……。ああ、おはようございます、お姉様……?」
声のする方を見ればそこには伶お姉様がいた。
「果物、食べる?」
「おねがいします……」
お見舞いの品であろうりんごを取り出すとお姉様は皮を剥き始める。
「はい、しばらく寝たきりだったからゆっくり食べなさい」
「ありがとうございます」
りんごを食べ終わる。気持ちがひと段落ついた所で私はお姉様に質問した。
「あの、お姉様」
「何かしら」
「私は何故ここに?」
「……そうね、一言でいえば、頑張りすぎって感じかしら?」
頑張りすぎた?
言われてみれば最近は大変なことが多かった気がする。
「心配したのよ?」
「それは、申し訳ないです」
「とにかく今はしっかり休みなさい。それと、今からもう1人来るから」
「もう1人?」
「ええ、さっき連絡してすぐ返事が来たから、多分もうすぐ」
言い終わらないうちにガラガラと音を立てながら病室の扉が開く。
「伶さん目を覚ましたってほんと!」
大きい声に思わず顔をしかめる。どうやら向こうもそれに気づいたようで慌てて声のボリュームを抑えたようだ。
「…………」
「…………おはようございます」
おずおずと私に挨拶をしてきた、短髪で活発そうな彼女は。
「……えっと、はじめまして?」
初めて見る方だった。
「──そうですわね。ひかり様、はっきりと申し上げます」
「──貴女は、ルナ様との思い出を全て失うことになっても平気ですか?」




