魔法少女と魔道具少女
「…………ひかり、大丈夫?」
「なんとか……」
ガラガラと瓦礫をかき分けて私たちは這い出てきた。とんでもない爆発だった。ただでさえロボの着地で倒壊寸前だった周辺の建物は更地になってしまった。
『とんでもない爆発や』
『えぇ、まるでルナ様の魔砲のような……』
確かに、大きな魔力の塊が地面に当たり大爆発を起こしていた。ルナちゃんの魔砲と特徴が似ている。
「製作元が一緒なら似たような技を使ってくるのも当然かもしれないわ」
それもそうか、魔道具にせよロボにせよ作ったのは教授だ。
「そうなると魔弾とかもありそうだね。……あの大きさのロボの魔弾はただの大砲じゃないの?」
『とにかく命中したくはないで……』
ロボは這い出てきたわたし達に気づくと少しの間をあけ、
[目標の健在を確認。magical bullet、展開]
「やっぱりあるんだ……!」
ロボは両腕をこちらに向けると、自身の腕の周りに無数の魔力の弾が、いややっぱりおおきいなぁ!
「ひかり、左右に展開しましょう」
「了解!」
[──発射します]
ドッドッドッドッ。
一定の間隔で放たれる弾の隙間を走り抜ける。
「キン、なんかわかった!?」
避け続けるだけじゃ埒があかない。時間を稼いでキンに何かないか探ってもらっていた。
『弱点かどうかは分からんが頭部にかなりの力を感じるで、狙ってみるのはアリや』
「わかった!」
だったらまずはこの巨大ロボの動きを止めよう。まずは転倒させてやる!
『どうやら伶達も同じ考えに至ったぽいな、足元に向かってるで』
「だったら同時攻撃だね」
どちらか片方でも成功すれば良し、両方なら尚良し。
「じゃあいくよ!」
今までと違いロボの足元目掛け走り出す。さっきまでいた場所に放たれた弾丸が地面を抉っているのを尻目に駆け抜ける。
[接近を確認、magical sword展開]
魔弾が止まった。けどその代わりに今度は両手からシャキンと長い剣が現れる。
[──攻撃開始]
「うわぁあぶない!」
私に向かって振り下ろされた剣をギリギリで避ける。巨大で質量のある斬撃は地面を揺らす。
「というかあれマジカルじゃなくて普通に剣では!?」
『どっちにしろ当たったらひとたまりもないで!』
「それは確かにそう!」
とにかく足元に急ごう!
(ひかりは無事かしら?)
magical swordとやらを捌きながら考える。
(というかこれ普通に剣なのでは?)
乱雑に振り回される剣を受け流し、時には弾き飛ばしロボットの足元まで近寄っていく。
「あぶなーい!」「うおお!?」「キンこれ近づけてるぅ!?」
遠くから聞こえる声で安否を確認でき安堵する。
「……とりあえず無事みたいね」
『まぁ剣の大きさはともかく太刀筋は悪いので、普段から伶様のそれを避けてるひかり様には大した問題にはならないと思いますわ』
と、ある程度の距離まで来たら私は足を止める。後はもう一息で足元までたどり着くことができる。
「それじゃあコン、ひかりと同じタイミングで突入するから合図お願いね?」
『任せてくださいな』
『後少しやでひかり!』
「わかってるけど、ふん!」
横なぎの剣に合わせてスライディングをおこない回避、そのままの勢いで足元に滑り込む。
『向こうにも伶がいるみたいや!やってまえ!』
反対側の足元を見ると伶さんが、既に大剣に力の配分を移して待っていた。
流石伶さん、特に苦戦もしなかったようだ。
私はもうだいぶ疲れたが。
「よし!おりゃあ!」
自身の足に力を集め、思いっきり回し蹴りを当てる。
ドゴン!大きく鈍い音が鳴る
両足にほぼ同時に放たれた攻撃はロボを倒すのに十分な威力だった。大きな音、振動と共にロボは仰向けにひっくり返った。
「これで頭に攻撃を」
[magical cannon、magical bullet、併用します]
倒れたロボットは空に向かって魔砲を撃つ。光の球は空にゆっくりと飛んでいく。
──違和感を覚える。魔砲は着弾して初めて爆発するとルナちゃんから聞いている。空に飛ばすのはおかしい。そして魔弾との併用という言葉。
もしかして。
ある可能性に気付いて血の気が引く。
「伶さん!一旦下が──」
[magical bullet、発射]
わたしが全てを言い終わる前に眩い光と爆音が襲った。




