魔法少女と魔道具少女
「せい!」
右拳の一撃がシャドウの顔面に打ち込まれる。
「ふっ!」
放たれた長剣の一振りがシャドウを袈裟斬りにする。
「……もはや並のシャドウじゃどうしようもないか。流石は魔法少女」
「そう思うならさっさと捕まってもらえないかしら!」
「残念だが私は並でもシャドウでもないからな」
伶の剣を難なく躱し後退する。それを後押しするようにシャドウが道を阻む。
「くっ!」
伶は力を剣に集中する。長剣から大剣へと変化した武器を思いっきり振ってシャドウを蹴散らした。
「ふむ、力の配分の仕方もかなりの高水準だな」
「お褒めいただきありがとう。それで?貴方が教授でいいのかしら」
「いかにも、私は教授と呼ばれている」
「じゃあこの人がルナちゃんに変な薬を渡したって事だね!」
ひかりの言葉を聞いて教授は一瞬固まり深いため息をつく。
「その件なんだが、あれは私じゃない。いやまあ薬を作ったのは私だがまだ使う予定ではなかった」
「どうゆうこと?」
「どうせならもっと完璧な状態をお見せしたかったのだが……あの小娘が勝手なことをしてしまったな」
「小娘……?」
「コラー!教授!このままだとアタイの名前が小娘になっちゃうでしょ!」
「事実だろうがアホ小娘」
教授の真横からヒョイと現れた子供。教授は特に驚くこともなく子供からの苦情を面倒そうに流している。
「ひかり、多分あの娘が」
「──ルナちゃんに薬を渡した子」
ある程度文句を言いきったようで、その子供はこちらに顔を向ける。何か来るかもしれない。そう感じ2人は身構えた。
「ん?なんかめっちゃ機嫌悪そうだね。まあいいや、そこの2人!アタイの名前はマリス!しっかり覚えて帰るように!……そんじゃアタイは帰るから」
こちらの敵意を知ってか知らずか子供──マリスは言うだけ言って帰ろうとした。が、その肩を教授は掴んだ。
「おい待て小娘、頼んでたモノが来てないようだが?」
「せっかちだね教授は、あの大きさのホールは疲れるんだよ?まあそろそろ……来たね?」
マリスが空を見る。ひかりと伶もつられて空を見て、驚愕した。
「何なの、あれは!?」
「でっかい……」
空には巨大な穴が開いていた。




