魔法少女と秘匿性
「ゲートも通らずに来たのは初めてキンにあった時以来だよね」
ひかりは家々の上を飛び回る。
『そうやな、あれは魔法少女を探す時だけ行う術式なんや。特殊な方法やし手間が掛かってるから力の消耗も激しい。普段はゲートを開けた方が早いし楽なんや』
「ふーん。あれ?じゃあ今回は?」
『今回はワイやコンが行ったわけやないな。推測でしかないけども、恐らくこれはDr.MAD達の仕業やと思うで、そうでもなきゃ──』
ひかりはあるものを見つけると家の上から飛び降り──。
「おりゃあ!」
「グゲェ!?」
『こんな都合よくシャドウの付近に一般人がおる訳あらへん』
上空からの勢いのついた蹴りはシャドウを1撃で消滅させる。その後華麗に着地したひかりの前には年配の男が腰を抜かしてその場にへたり込んでいた。
「あ、あなたは?」
「心配しないでください、すぐに忘れますので!」
「はあ、あの嬢ちゃん、ありがと──」
キンに開いて貰ったゲートの中にぐいぐいと男を押し込む。
「こんな感じでいいのかな?なんだか素っ気ない気もするけど」
『そうや、狭間の世界に紛れ込んだ人間は出て行く際にこの場所に関する記憶を消される。むしろ下手に話してワイらの事を知ってしまうと狭間の世界と紐づけられてまたここに来る可能性までできるんや。次また来てしまった時にワイらが助けられるとは限らんやろ?』
『確かに。じゃあ私達ができるのは速攻で元の世界に帰す事だね、よし、頑張るぞ!」
『よし、その意気やで!シャドウの反応は現時点で13、今1体倒して12や。シャドウの場所自体はほとんどがバラけとる。コイツら1体につき巻き込まれた奴が1人あると考えてええだろうな』
「それじゃあとりあえず1番近い所から助けに行こう。キン、案内よろしくね」
『よっしゃまかせい!」
「キン!道はあってる?」
4人目を助けたひかりは次の場所に駆ける。
『合っとるで、それとひかり、いいニュースや。ワイらが倒したヤツ以外のシャドウの反応が1つ減っとる』
「……伶さん、来てくれたね!」
『ま、そうゆうことや、そんで悪いニュースもあるんやけど、次のシャドウの反応が2つあるっぽいわ。これは多分巻き込まれた一般人が合流してしまったんやな。2体1になるから気ぃつけるで!』
「了解だよ!」
ひかりは走るスピードを速める。が、
『ストップやひかり!』
「えぇ!?どうしたの?」
急に止められてひかりは焦る。早く助けに行かないと。
『困ったで、道理で見知った反応だと……』
「何か問題があったの?」
『そうやな、……ええかひかり。次に助ける2人なんやけど こっちに来る!ひかり!隠れてくれ!』
「え、うん!」
ひかりは近くの木の上に飛び移る。暫くするとこちらに向かってくるシャドウとその目の前に2つの影が──。
「うおおおぉ!?」
「………ふっ………ふっ!」
「──うそ、ユウちゃん、フミちゃん?」
シャドウに追われ全力で走っていたのは、ひかりの親友であるユウとフミだった。




