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魔法少女 LIMIT FORCE  作者: 竹炭
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魔法少女とゴーレム

「とりゃあー!」

「…………!」

ゴガガガ!拳と拳がぶつかるにはあまり適切ではない音が流れる。ひかりはゴーレムと殴り合いをしていた。ひかりの乱打に継ぐ乱打をゴーレムは合わせるように拳を合わせていく。


打ち合いの間、互いに一歩引いた瞬間をひかりは好機と読んで力強く拳を引く。すると拳についていたメリケンサックが即座にガントレットへと変わる。

「いくぞぉ!」

開いた距離を一息で詰める。それを見て感心したようにゴーレムは呟く。

「この前よりも攻撃の熾烈さも力の配分の移行速度も格段に上がってますね、素晴らしい!ですが」

「!」

勢いよく突き出した拳が空を切る。

「防御面がまだまだですかね?」

外した攻撃に驚いている間にゴーレムはひかりの腕を掴みひょいと投げ飛ばした。

「わーー!」

ゴーレムの力は見た目以上にある。ひかりはかなり遠くまで吹っ飛んでいった。


「ひかり!」

「次は伶の番ですよ?」

「くっ」

伶がひかりに目を向けていたほんの一瞬の間にゴーレムは伶の前に立っていた。

伶はゴーレムに斬りかかる。力を剣に込め、変化した大剣を振るう。空気をむしり取るかの様な音を鳴らしながら幾度となく大剣を振り、ゴーレムはそれを避ける。

「ハァッ!」

渾身の力を込めた横なぎをゴーレムはかわす。

避けられた伶はその勢いを殺しきれない。そのままゴーレムは伶に反撃を行おうとして。

「──!!」

「フッ!」


キィィン。高い音が響いた。


「なるほど、その一瞬で力を移行するとはっ……!」

勢いをあえて殺さなかった伶は即座に力の配分を変更、剣に集中した力を減らすことにより大剣を長剣に変化させる。と、同時に減らした力を足に込め脚力を強化。直ちにゴーレムの方へと体を向き直し斬りつけた。

「……たしかに、大剣から長剣への軽量化、更に足への力の移行に伴う脚力強化。それにより発生する急激な速度変化。大剣での振りに慣れてしまった目では早々に対応出来るものではないですね」

「じゃあ大人しく受けてくれても良かったんじゃないかしら……うっ」

伶はその場で崩れ落ちる。

見た目は人間だがゴーレムの身体は人間のそれではない。片腕で長剣の一撃を防ぎ残った手で拳を打ち込んでいた。

「いえ、僕が本気で避けよう、防ごうと思ったのは今日が初めてです。成長してますよ、貴女達は」

ゴーレムは倒れている2人を見ながらいった。



「2人ともに素晴らしい成長を感じています。力の移行の効率化、戦闘能力、高いものを感じます。あと足りないものを挙げるとすれば、やはり場数かと」

「ばかず……」

ひかりがオウム返しもいいとこな返事をする。

「そうです。今日の2人の動き、特に伶の動きは良かった。力の配分は魔法少女にとって重要な要素です。それを戦闘の中の一瞬でやってのけた。これは驚愕に値すると思っています」

「えーゴー君わたしはー?」

「ひかりも拳への力の移行の速度は目を見張るものがありましたよ」

「えへへ」

褒められて喜んでいるひかりと対称的に伶はあまり面白くなさそうな顔をしていた。

「でも結局ひかりも私も貴方へちゃんとした一撃が届いていないわ」

「うぅ……それはたしかに」

その指摘を受けてひかりはしょんぼりとした。そしてゴーレムは柔らかな笑みを浮かべていた。

「そう、そこなのです。現在の私には実に数万通りの戦略がインプットされています」

「すうまんとおり」

「はい、その数万通りの中から私は適切な行動を選択して2人の攻撃に適切に対応しています。私が2人と対等に戦えるのはこのように後付けとはいえ戦闘に対する経験があるからなのです」

そして、とゴーレムは付け加える。

「今後戦う相手はどんどん強くなる事でしょう。なので2人には沢山私との稽古を受けてもらって、経験を積んでもらいたいのです。と、いうことで休憩はこのくらいにして次行きましょうか」

「はーい」

「……次は貴方を倒すわ」

「──いい返事ですね」

2人は立ち上がり構える。

「今度は同時にかかってきてください。コンビネーションも重要な要素ですから」

2人は顔を合わせ頷くと同時にゴーレムに向かっていった。

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