魔法少女と最初の決着
「オラオラオラオラァ!」
「くうぅ……!」
2人の戦いは、ウォルフが有利だった。常人なら目にも留まらない速さの拳が何発も放たれる。ひかりはそれを受ける事に精一杯であった。
「オイオイ威勢がいいのは言葉だけかぁ!?」
「うる、さい……なぁ!」
「ッ!」
ひかりの反撃にウォルフの本能は危険信号を発した。受け止めようとはせずその場から即座に後ずさる。
ブォン!勢いよく空を切る音が響いた。
「ふーん、この前と違って避けたって事はこの攻撃は効くってことかな?」
荒い息を整えながらひかりは不敵な笑みを浮かべた。
ひかりの右手はガントレットに変形していた。すぐにガントレットは消えて元のメリケンサックへと戻る。
「ククク、そうだな。認めてやろう」
ウォルフは自らの頬に手をあてる。避けきれず掠めた場所からは血が垂れている。手についたそれを見てさらに嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「お前は確実に前より強くなってる。付け合わせと言ったのは悪かった。あの嬢ちゃんもお前も──」
瞬間、ひかりの目の前まで飛び込むと拳を強く後ろに引き。
「!!」
「メインディッシュだ」
勢いよく突き出した。狙いは腹部。ドゴンと強烈な音が鳴り響く。
「…………ほう、やっぱりこの前よりいいな。お前」
「うぐぐぐぐぅ……!」
そう、ヴォルフはこの前と同じように腹部を狙い拳を突き当てた。前回ならその一撃で崩れ落ちていた彼女だったが今は違う。
ギリギリのところでウォルフの拳を両手で挟み込むように押さえ、それでも勢いが止まらないのは承知で、少しだけ弱まった拳を受けた上で耐え切っていた。そしてその少し停滞した瞬間に。
「!早いな──」
「ぐっ、」
ウォルフは掴まれていた拳を乱暴に振り払うとその場から飛び退いた。
ウォルフが先ほどまでいた位置に。ドン、とまっすぐ剣が突き刺さった。
「ひかり、大丈夫?」
「何とか、ギリギリ?そんな感じ」
ケホケホと軽くむせた後にひかりは笑顔を見せた。伶はほっと一息つき、突き刺した剣を引き抜くとウォルフの方へと切先を向ける。
「シャドウ達はもう倒したわ。後はあなただけよ」
「覚悟してね!」
ひかりもまた拳を構え戦闘態勢を整える。
「楽しみだ、これは胃もたれしちゃうかもなぁ!」
ウォルフは喜びを隠さずに2人に襲いかかった。




