魔法少女と再びの強敵
「……今日は随分と礼儀正しいお出迎えをしてくれるわね」
「…………っ」
「おーおーそんな怖い顔で睨むなよ?このままじゃとって食われそうだぜ?俺が」
既に臨戦態勢の2人の目の前にはいつかのスーツの男が立っていた。
彼はウォルフ、ひかりと伶にとっては手痛い敗北を受けた相手だ。
伶は剣を取り出し、ひかりは両手を前に構える。緊張感からか既に額には汗が滲んでいた。
「いいねぇ、前よりも強くなってるのがビシビシ伝わってくるぜぇ?」
ウォルフは舌舐めずりしながらこちらをみている。
「俺は楽しみは最後に取っておくタイプなんだわ。もちろんステーキなら先に付け合わせから食べちゃう。そんで最後に肉ってわけ、だからさ──」
そこまで行ってウォルフは消えた。否、消えたように見えるほどの速度でひかりの前に立っていた。
「先にお前から頂こうかな?」
「!くぁっ!」
「ひかり!」
ウォルフはひかりの手を掴むとぽいと背後に投げ捨てた。
「そんで嬢ちゃんはこいつらの相手頼むわ?」
「ギィ!」「ガグゥ!」「ギガィ」
地面から中型をさらに一回り大きくさせたシャドウが出てくる。
「くっ、邪魔よ!」
伶の前を遮る様にシャドウは並ぶ。ひかりの場所まで行くにはどうしてもシャドウは邪魔になる。
2人は完全に分断された。
「伶さん!」
投げ捨てられたひかりは空中でバランスを立て直すとしっかりと地面に着地する。すぐに伶の方を見ようとするがその視線を邪魔するかの様にウォルフが立ち塞がった。
「また相方の心配かい?飽きないなぁ」
心底呆れたようにウォルフは言う。
「うるさいなぁ!この前伶さんの誘導尋問にかかった癖に!」
「はぁ!?それとこれとはいま関係ないだろう!」
舌戦とも言えない子供の様な口喧嘩が暫くあり、
「とにかく!わたしは前より強くなってるからね!あなたには負けないよ!」
ひかりは自信満々に構える。
それを見たウォルフは顔から楽しそうな笑みが溢れるのを我慢できなかった。
「……ああ、わかってるさ。だからお前とあの嬢ちゃんを分断させたんだよ」
「人を伶さんの付け合わせみたいな扱いした事後悔させてあげるよ!」
「上等な心意気だ!かかってこい!」
ひかりとウォルフは真正面からぶつかり合った。




