魔法少女と特訓
「それじゃあ放課後お願いするわね」
「……はい」
昼休み、伶の言葉に力なく返事をしたのはひかり。伶はまた人の山と共に去っていくが、
「なんなのあの子娘……」「憎らしいわ……」
「嫉妬に狂いそうですわ……!」
去り際に呪詛の言葉が聞こえる。ひかりは浮かべていた愛想笑いをやめ、目の前の弁当に集中する事にした。
「これで何回目ー?」
「今週は2回目。先週と合わされば5回目だ」
「週の半分以上は放課後ひかりと一緒なのねー」
友人2人は弁当をもくもくと食べているひかりを見る。
「何してるの?」
「え、何って言われても、お手伝いだよ?」
「しかし手伝いなら他の生徒会員に任せれば良いだろう。どうしてひかりなんだ?」
「どうしてって言われても……」
よくわからないといったそぶりをみせる。実際は特訓の為に呼び出されている訳だが。
(それにしてもなぁ)
ひかりは人の山から聞こえてきた言葉を思い返していた。ひかりだってこの事態は予測できていた。学園でもNo. 1と言っても過言ではない相手に何度も会話していればああもなる。
「伶さん、集まる時って他の連絡手段にしません?スマホとか」
「……わかったわ」
試しに聞いたらアッサリと話が通った。何故か少し残念そうに見える伶は気のせいだろう。
「じゃあ今日の特訓が終わったら連絡先交換しよう!」
「そうね、さっさと終わらせてやりましょう」
伶とひかりはゴーレムの住む部屋に来ていた。ドアを開けると──。
「学業お疲れ様です。待っていましたよ」
中は広い空間になっていた。明らかに外との部屋の容量はおかしく、まるで大きな体育館の様になっていた。これも魔法の力らしい。そこにポツンと座っている青年がこの前回収したゴーレムだ。
『学校からここまでは静かにしてないとあかんからな、全く疲れるわ』
『それはあなたが落ち着きないからではなくて?』
『なんやて!』
いつも通り伶とひかりの腕時計も喧嘩を始める。
「もう……」
「は、ほら早く特訓しよう、キン?」
2人はさっと時計に手を乗せて、
「「リリース!」」
魔法少女に変身する。
「さて、では今日の訓練を始めましょう」
ゴーレムも立ち上がった。




