表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女 LIMIT FORCE  作者: 竹炭
101/111

魔法少女と得られる力

ガキン、金属のぶつかる音がする。

「伶さん!」

「分かってる!」

伶さんはお父さんと鍔迫り合いをしている。何処から出たのか手には刀。魔法少女の伶さんに引けを取らないパワーのようだ。

「ひかり!気をつけて!お父様は武術に精通しているわ!それにお母様も──」

「くっ」

伶さんのお母さんはこちらに向かってきた。見たところ手に武器は持ってない。ただ、伶さんの言葉が引っ掛かる。それでも素手同士で魔法少女の力もあるわたしの方が幾分か有利だろう。わたしも正面から立ち向かう。

「伶さん!私は伶さんのお母さんを抑えるからぁっ!?」

とりあえず怪我しないように抑えなくちゃ。

──手が触れた瞬間、そんな舐めた考えと共に世界がひっくり返った。

ドンと大きな音と共に背中に痛烈な痛みが走る。

「かっ、はぁっ!?」

視界が明滅する。今起きたことを理解できない。激しい衝撃で酸素を全部吐き出した気がする。息苦しくて仕方がない。呼吸ができない。

「…………」

手が伸びてくる。ただ、それの意味を理解する程の余裕がない。

混乱しているわたしの前に来る手。それは首元に向かって、そしてゆっくりとわたしの首に絡みつき。

「うぁぅ……」

徐々に力を増して、


「ひかり!」

「──あ、ヒュゥ、はあ!」

気がつけば伶さんに抱き抱えられていた。呼吸ができる。なんかヤバかった気もする。

「大丈夫?」

「うん、なんとか、背中痛い。……おろして」

冷静になるとこの体勢は結構恥ずかしい。

「ええ。……ひかり、もう一度言うわ。私のお父様は武術の達人よ。それで、私のお母様も」

「当然のように達人なんだね」

さっき起きたことがようやく理解できてきた。

──伶さんのお母さんに触れた瞬間、わたしはそのまま背負い投げを受けたようだ。思いっきり叩きつけられたようでまるでクレーターのような窪みができている。このパワーは悪意の芽の影響だろう。

「そんで、首をキュッとされかけてたと」

状況を把握すると恐ろしい限りだ。

運が良かったのはこの威力はあちらにとっても想定外だった事。

クレーターができるほどの衝撃が起きた事で、伶さん達の均衡が崩れた。体制を崩したお父さんを弾くと伶さんがすぐに助けてくれたようだ。

武術の達人といえど急に地面が揺れる事に対応するのは難しかったようで、そこに関しては伶さんの方に分があった。わたし達、足場が悪いのはしょっちゅうだしね。

「間に合ってよかった……けど、多分次は助けてあげられないと思うわ」

伶さんの声には一切の余裕はなかった。それほどまでに伶さんでも手強い相手なのだろう。

「──ありがとう、次から気をつけるね」

いやな汗が頬を伝う。ただこれは相手の強さによる冷や汗だけじゃない。

伶さんには刀を持っている方を任せるしかない。わたしは素手の方を、お互いの得物のことを考えても当然だ。そして、もう一つ問題がある。


「伶さん、悪意の芽を取り除く方法だけど」

「……分かってるわ」

先程と同じ回答。

「……ひかり、貴女はお母様を足止めして隙を作って。それで──」

ほんの少し、間が空いた。

「──その隙をついてお母様の悪意の芽を切除するわ」

「でもそれだとお父さんの方は……!」

「分かってる!いいから言う通りにして!──来るわよ!」

もう一度向かってくる2人を前に会話は中断される。



片方を助ければもう片方の命が危ない。そんなのは伶さんも当然分かっている。

…………。

分かっている。伶さんは何度かそう言っていたが、わたしもまた、そういうことを言う時の彼女のことを理解っている。

──こういう時の伶さんは何も分かってない。それどころかいつもと違い自信がない時の伶さんだ。

だったら、わたしがするべきことは。



「──よし」

1つ、覚悟を決める事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ