表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲームに転生したようだが、俺には関係ないはずだよね?  作者: 皐月乃 彩月
第2章 俺と攻略対象者と、時々悪役令嬢
33/175

23話 誕生パーティー ④~新たなる攻略者~

 

未だ冷めやらぬ喧騒の中、気が付くとリリスは居なくなっていた。

流石にこの空気の中では居づらいのだろう。

先程まで俺の事を散々に扱き下ろしていた。


「やるな、リュート見事だったぞ!」


「うん、やっぱり天使だったね!」


オズ様と兄様が俺達の元にやって来た。

俺達の演奏をバッチリ見ていたようだ。


「ありがとうございますオズ様、兄様」


「くくっ、久し振りに愉快であったぞ? 俺から見てもアレの行動は目に余るからな」


「確かに、笑えるよね」


兄様達は笑いが抑えきれないのか、くくっと声に出ていた。

リリスが相手じゃなければ、ヒドイ台詞だな。

実際、中身がアレなので全く同情しないが。


「兄上達、悪い顔してるね」


「そうですね、エド様」


「むぅ、様は要らないのに」


「王族の方ですから」


「まぁ……今はそれでいっか」


ムッとしたエド様を俺が宥める。

先程演奏を供にしたことで、大分打ち解けた。

音楽は世界共通とはよく言ったものだ。

兄様達のように、俺達弟組も仲良く出来そうでよかった。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









演奏を終えた後、俺は多くの有力貴族達と挨拶を交わし、当初の目的通り人脈形成を行った。

俺の家の位と魔眼持ちの肩書きから、寧ろ向こうから集まってきた位だ。

名門の家の大体は押さえる事が出来た筈だ。


そう言えば、攻略対象者達は今日来てるのかな?


俺はふと兄様や王子2人以外の攻略対象者らしき人物と顔を合わせていない事に気付いた。

他国に居る2人はこの場に居ないとしても、残りの2人はこの国に居る筈だ。


今日は来てるのか?


俺は辺りを見渡すが、残念ながら顔を知ってるわけではないので見ただけでは分からなかった。


この国に居るのは、将軍を勤めている侯爵の息子と教会の──


「おっいたいた。リュート、お前に紹介したい奴が居るからこっち来い」


「陛下?」


先程別れた王様が、俺を呼び寄せた。

俺は王様の元へ近付いていく。


紹介したい人って誰だ?


「この子ですか? 陛下」


王様より少し年上の美丈夫が俺を見て言った。

薄緑の腰まである髪にアメジスト色の瞳。

身長も高く、彫刻の様に整っている。

そして、その後ろに子供を連れていた。


なんかこの世界って、顔いいやつが多いな。


貴族や良いとこの家だと顔が整っている人の血に取り入れているだろうから必然と言えば必然だが、それにしても前世と比べて水準が高い。

最も、乙女ゲームの世界だからという理由もあるだろうが。


「あぁ、貴殿は先程いなかったからな。貴殿の息子と同じ魔眼持ちだ」


!!


「なんとっ!! それは喜ばしいことです。きっと女神アテナリア様のお導きでしょう!」


男は興奮したように言った。


ま、魔眼持ち?

ってことは、後ろに隠れている子供は……


「初めまして、私はトーリ・クレイシス。女神アテナリア様を信仰している教会の神官をつとめています。この子は息子の、ユーリ・クレイシス。ほらユーリ、お前も挨拶を」


「ユーリで…す…はじめ…ま…して」


「はっ初めまして、リュート・ウェルザックです」


父親に促されて、ユーリがボソボソと挨拶をした。

俺も反射的に挨拶を返す。

思わず笑顔がひきつってしまった。

探してはいたが、まさか将軍の子息でなく此方に先に出会ってしまうとは。


ユーリ・クレイシス。

それはこの国の数少ない魔眼持ちであり、

乙女ゲーム攻略対象者随一の“ヤンデレ”キャラの名だった。


次回から新章です。

ブクマ&評価有り難うごさいますm(__)m

励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ