表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲームに転生したようだが、俺には関係ないはずだよね?  作者: 皐月乃 彩月
第2章 俺と攻略対象者と、時々悪役令嬢
26/175

16話 女装回避の空間魔法

祝・ブクマ100件突破\(^o^)/

ありがとうございます‼

てなわけで、本日2話更新です!

 

そんなこんなで俺に多大なダメージを与えたお茶会は幕を閉じ、数日が過ぎた。

今のところ特に呼び出し等はない。


まぁ、女装云々は冗談だろう……だよね?

ほとぼりが冷めるまで、城には近付かないようにしよう、うん。

と言いつつ……来月、王子の誕生会なんだよな。

まぁ、流石にパーティーでドレス着せられる事はないだろう。

俺ってば公爵子息だしねっ☆

はははっ(遠い目)


パーティーまで日が近いということで、翌日から多くの家庭教師が呼ばれた。

公爵家だけあって、高名で優秀な人が殆んどみたいだ。

さしあたって、今日はマナーとダンスの教師が呼ばれている。

ダンスは6歳で早くないか?と思ったが、嗜みとして出来ないと恥ずかしいらしい。

まぁでも──


「すっ素晴らしいっ!! 流石、公爵家のご子息様ですねっ! 教えることが何もないくらいです」


教師達はこぞって誉めちぎる。


なんせ前世(24歳)+今世(6歳)の三十路だからね。

ダンスやマナーの基本的なことは身に付いてたし、本でも確認してこの世界の作法と擦り合わせた。

そして実際に見せてもらえば、それは完璧なレベルになる。

なので勉強は早々に終わらせて、教師には帰ってもらった。

それよりも、今やりたい事があるのだ。


そう、空間魔法の習得だ!

この魔法は俺の女装回避に必須。

この魔法があれば、嫌な流れになった瞬間逃げる事が出来る。

……そろそろ本気で逃げないと、女装キャラになりそうだからね(泣)


前もってセルバさんに用意して貰っていた本を開く。

空間魔法は使い手が少ない、故に空間魔法の魔法書も国宝並みの貴重なものになる。

たが、家は名門貴族。

初級から上級のものも所蔵してあった。


勿論、大切に扱って欲しいとは言われたけどね。


ページを捲って、知りたい魔法を探す。

空間魔法にもいくつか種類があるみたいだ。

荷物を別空間に収納する“アイテムボックス”

結界なんかも、空間魔法に属するらしい。


「あっ、あった。これだ……」


俺はお目当てである魔法のページを見つけた。


”空間移動魔法“


この魔法は予めマーキングした場所に、移動するというものだ。

これでいざとなったら逃走する。


……それにしても、思っていたより空間魔法は種類が少ない。

使い手が少ないから、研究が進んでないのかな?

まぁ、俺もこれだけ意気込んでおいて適性あるか分からないけど。

……あると信じたいよね。

なかったら別の方法を考えないとなー。

よし、順番に試していく。


《ガチャッ》


突然、扉が開く。


「リュー君、お勉強早く終わったならこないだのドレスを着て──」


部屋に入ってきたのは母様だった。


「っつ、“テレポート”っ!」


「……あれ? リュー君? 何処へ行ったのかしら?」


危険を察知した俺は、咄嗟に空間魔法を行使した。









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









「うぉっと!! ……ここ何処だ?」


女装回避の為思わず空間移動を発動したが、マーキングも何もしないで飛んだので場所が全く分からない。

辺りを見回すと高価なベッドや家具が置いてあるので、ここは何処かの屋敷の一室だとは辛うじて分かった。


「他国とかだと、本気でヤバイな……」


空間魔法を使えたのはいいが、他国や遠く離れた場所だと子供が帰るのにどれだけかかるか分からない。

俺は魔眼持ちであるし、その辺も問題になるかもしれない。

下手したら誘拐されるだろう。

それに──


「母様達も心配するだろうし」


出来れば、気付かれない間に戻りたいものだ。

だが、やはり空間魔法は有用だ。

マーキングなしでも使えたということは距離や座標が分かれば、自由に移動できるかもしれない。


「とりあえずここが何処なのか分からないと、話にならないな」


いつまでも此処に居ても仕方がない。

俺はここが何処なのか調べる為、部屋を出た。

廊下は広く、何処までも長い。

かなりの豪邸だ。


《ガシャンッ》


大きい物音が聞こえた。

俺は音のする方に、足音を消して近づく。

すると人の怒鳴り声が聞こえてきた。


「私が欲しいのはこれじゃないわっ!!」


怒鳴り声は少女のものだった。


うん?

なんか聞き覚えがある気が……


俺は更に近付いていく。


「本当に無能なクズねっ!」


少し離れた角から伺うと、怒鳴り声をあげてた子供の顔が見える。

そこに居たのは、悪役令嬢リリス・ウェルザックであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ