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39話 歪でも確かな絆

眠たい(+.+)(-.-)(_ _)..zzZZ

冬眠期に入ってしまったようです(=_=)

 

スタッガルド領から帰った次の日、学園内の個室で、俺はアシュレイに昨日起こった事を話した。

俺のした事は、アーシャ・スタッガルドにとっては非情な仕打ちだ。

何食わぬ顔で、アシュレイ(そのの子供)と仲良くなんて出来ない。


「…………そうか」


全てを話終えた後、アシュレイは怒りも悲しみも見せずに、ただ一言そうこぼした。


「僕は自分のした行動が間違っているとは思いませんが、正しいとも思っていません。僕は貴方の母親であるアーシャ・スタッガルドの気持ちを、想いを踏みにじりました。許して欲しいとは言いません。貴方がこれ以上関わるなと言うのなら、僕はこれから貴方達には近付かない事を誓います」


俺自身はアシュレイの事を友人だと思っているし、これからも出来れば仲良くしたいと考えている。

けれど、俺のした事を考えれば恨まれても仕方がない。

アシュレイがそう望むなら、俺()離れるべきだ。


「……母上は厳しい方だった」


絶縁を告げられると思いきや、アシュレイは唐突に話を始めた。


「……? 武の名門ですからね」


俺は疑問符を浮かべながらも、アシュレイの言葉に頷いた。


確か、ユリアの話だと兄様と比べられて……常に勝つように、言い聞かせられ続けたんだっけ?

その為に、厳しい躾と教育を施されたとか。


「俺は……ずっと嫌だった。俺はどんなに努力しても、母上が見てるのは俺達の実の父親だけだ。けど、俺は俺だ。母上の気持ちも分かるが、俺は俺の心に正直でいたい」


「それは、どういう……?」


俺はアシュレイの言いたい事が分からずに、益々首を傾げた。


「今日の朝、母上は俺を見送ってくれたんだ……笑顔で。あんな風に屈託なく笑う母上を、俺は初めて見た。ずっと、過去に苦しんでいたから……」


アシュレイは俯けていた顔を上げた。


「俺は、母上の本当の望みとは違うだろうが……今の生活に満足している。お前や殿下達……アイツと過ごすのは、退屈しないからな。それに母上はもう十分に苦しんだ。過去を忘れて、幸せになって欲しい…………お前のした事が正しいかは、俺には分からない。だが、俺はアイツが……兄が死ななくて良かったと思う……だから──」


俺を真っ直ぐに見て──


「リュート・ウェルザック、俺はお前に感謝する」


そうハッキリと言った。

その眼に迷いはない。

途中声が小さくなったのは、御愛嬌だろう。

ユリアあたりなら、ツンデレツンデレと騒ぎ立てたかも知れない。


「……相変わらず、素直じゃないですね」


何だかんだで、アシュレイって兄様の事好きだよな。

……でも、良かった。


俺は思った以上に、今の生活を気に入っていたらしい。

アシュレイの出した答えに、ひどく安堵を感じている。


「五月蝿い……それは、お前達()同じだろう?」


頬を少し赤く染めながら、アシュレイは俺を睨み付けてそう言った。


()、ですか……ふふ、僕達って案外似てますね。……兄弟だからかな? 僕達、一応そんな感じにも取れるじゃないですか?」


確かに俺を含めて、皆素直じゃない。

兄様とアシュレイは半分血の繋がった兄弟で、俺と兄様は義兄弟。

歪な繋がりではあるけれど、見えない絆のようなものがあるのかも知れない。


「兄弟、そうか……それも悪くない、な」


俺の言葉に、アシュレイも笑みを浮かべた。


「でしょう?」


「あぁ……末っ子は問題児だからな、俺達がしっかり面倒を見ないとな」


俺の言葉に今度はアシュレイが頷くと、最後にそう言ってニヤリと笑った。


も、問題児っ!?

今回の事はユリアのせいだよね!?

俺って、周りからそう思われてたのっ!!?

まさか、ユリア以上に問題児とか思われてないよねっ? だよねっ!?


俺はその言葉に何も言い返せず、静かにショックを受けていた。


分かりにくいと意見があったので、ここまでのお復習です。


◆アシュレイ・スタッガルド

レイアスとは、異母兄弟。アーシャとスレイヤの子供。

シュトロベルンは嫌い、けど兄の事は嫌いではない。寧ろ、心の中では兄として慕っている節がある。

過去の出来事を全て知っている訳ではない。

ゲームの攻略対象者。

◆アーシャ・スタッガルド

アシュレイの母で、現在はジークフリード・スタッガルドの妻でもある。キリリィクは実の弟。

アシュレイとレイアスの父親であるスレイヤとは、婚約関係にあった。

シュトロベルンを滅茶苦茶憎んでいる。

アシュレイの事は愛していない訳ではないが、過去の事で病んでいる為普通の母親のように接する事が出来ない。

アシュレイ(憤怒)ルートの悪役的ポジション。

◆ジークフリード・スタッガルド

魔眼持ちにして、軍の将軍。

アシュレイとは血の繋がりはなく、義父にあたる。

アーシャやアシュレイの父親であるスレイヤとは、幼なじみで仲が良かった。

シュトロベルンは憎んでいるが、スレイヤに良く似たレイアスに対しては複雑な心境を抱いている。

◆キリリィク・ブロウル

ジークフリードの副官で、アーシャの実の弟。

過去の出来事がトラウマになっているのか、婚約者はいない。

アシュレイとは、叔父甥の関係。

スレイヤの事を実の兄のように慕っていた。

シュトロベルンは憎んでいるが、レイアスに対しては複雑な心境を抱いている。

アフターディスクでは、新たな攻略対象者として登場する模様。

◆スレイヤ

アシュレイとレイアスの実の父親。

レイアスと良く似た容姿。

故人。

その人生や諸々については、番外編にて……。


これで少しは分かりやすくなった……かな?

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