表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/175

34話 合流、外は大事になってた模様

2連続で更新、多分明日は別の。

……後数話で憤怒の本編が終わって、閑話、番外編、幕間……今月中に番外編には確実に入れますね(^-^)

 

俺達はゴーレムを倒した後、転移陣で元いた部屋へと戻ってきていた。

急いで兄様達と合流しようとしたが、再び魔法陣が発動する事はなかった。

飛ばされる前にユリアが壊した壁も修復されていた。


「お兄様やレイアス様達に何かあったらどうしようっ!?」


ユリアは先程から不安そうに、隠し部屋の中を行ったり来たりしている。

あまり時間は経っていない筈なのに、1分1秒が長く感じる。


「大丈夫だ……兄様達なら、きっと何とかして脱出する筈だ」


俺はユリアに大丈夫だと何度も言い聞かせながらも、何とか魔法陣をもう1度発動出来ないものかしゃがみ込んで調べた。


大丈夫……、兄様達は強いのだから。


戦力的には何とかなりそうだと分かってはいても、姿が見えない今不安は俺にも付きまとった。

魔法陣があった場所を、指でするりと撫でた。

その時────


「っ、光がっ!!?」


魔法陣が再び現れ、光輝き出した。

目映い光の中で、人影が数人分浮かんだ。


「兄様っ!!」  


現れたのは、兄様達であった。

オズ様も、アシュレイやロゼアンナも、スールとリオナも殆んど別れた時と変わらない無事な姿を見せていた。


よかった!

本当に無事でよかった!!


「無事だったんですねっ! よかったです!!」


「俺達を誰だと思ってるんだ、リュート? この位、当然だ!」


「と、言ってるわりに焦ってたよね?」


胸を張って言いのけるオズ様を、兄様がいつものようにいじる。


本当に……いつも通りみたいだ。


「お兄様達がご無事でよかったです!!」


ユリアも安心したように、微笑みを浮かべて皆の無事を喜んだ。


「ユーリア……」


「痛っ!?」

 

オズ様がユリアに近付き額に手を伸ばすと、額にデコピンをかました。


「当・然・だ! お前は、後で説教だからなっ!!」


オズ様はビキビキと額に青筋を立てて、お冠だ。

かなりお怒りでいらっしゃる。


「は、はいぃ……」


ユリアは額を押さえて、シュンとしながら頷いた。


はは、腐王女ざまぁっ!!


実の兄に怒られて、珍しく悄気ているユリアに溜飲が下がる。


「全員無事のようですし、早く外に出ませんか? 先生方に心配を、かけさせてしまう訳にはいきませんから」


隠し部屋に入ってからまだ2時間程しかたっていないが、ただでさえ深くまで潜っている。

そろそろ戻らないとまずいだろう。


「……そうだな。皆、悪いがユーリアの暴走については、内密に頼む。甘いのは分かっているが、日頃自由の少ない身だ。これ以上、自由を奪う事になるのは避けたい」


「お兄様っ!!」


オズ様の妹を思った言葉に、ユリアは胸の前で腕を組んで感激してた。


「はい」


俺を始め、オズ様の頼みに首を縦に振った。

何だかんだで妹には甘い。


まぁ、ユリアもこの後でこっぴどく怒られるだろうしね。  

俺も鬼じゃないから……











腐った創作物を、全部燃やすだけで今回は勘弁してあげるよ?










「じゃあ、壁を壊しますね! “レーザー・カノン”」


ユリアの詠唱と共に勢いよく壊れた壁を、皆で土埃を押さえながら通って外の通路に出た。


「色々ありましたが……中々、思い出に残る実習になりましたね」


元の場所に戻って来た事に安堵したのか、ロゼアンナがポツリと独り言のように溢した。


「……まず、忘れられないでしょうね」


「だな……ある意味良い経験ではあった」


俺とアシュレイは、苦笑いを浮かべて今回の実習を思い返した。


ユリアが暴走して………暴走して、暴走して、暴走して……あれ? ただ、ユリアがはっちゃけてただけじゃないか?


「……あれ? 人の気配?」


「本当だ」


そうやって帰路についている中、大勢の人が付近で動き回っている事に気付いた。


「何か、不足の事態でもあったのか?」


「まさか、他のパーティーで怪我人が出たんじゃ……」


確かに、初級向けとは言え、初めて挑戦する者も多い。

怪我人も出るだろう。


「なら、僕行ってきますよ。魔力、まだ残っているんで」


俺は、まだ回復魔法を使うだけの魔力なら充分に残っている。

俺は皆を置いて、走って人がいる方へと近寄った。


「大丈夫ですか? 」


俺は角を曲がった所で、声をかけた。

だが見付けたのは、生徒ではなくこの国を守る騎士達だった。


うん?

何でこんな所に国の騎士が……?


俺の声に、振り返った騎士と目が合う。

俺の顔を見て、目を見開いて驚いた瞬間────


「リュート・ウェルザック様発見致しましたーっ!!!」


その騎士は、大声で俺の名を叫んだ。


発見……?

あれ?

何か……凄い大事になってない?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ