表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/175

32話 別√② sideオズワルド

 

轟音と共にゴーレムに亀裂が走る。

しかし、ゴーレムの持つ修復能力を上回れず一瞬で元に戻った。


「くっ、コレも駄目か……チッ」


中々、倒す事が出来ない敵に、思わず舌打ちが出る。


ユリアやリュートと分断された後、出口を探して通路を突き進んだ所、この部屋に行き当たった。

通路と同様に、この部屋も全てが黒かった。

そして現れたのが、部屋と同じ漆黒のゴーレム。

当初すぐに片がつくと思われたが、圧倒的な修復能力を持つゴーレムに苦戦を強いられていた。


「次は俺が行きます」


そう言い残すと、アシュレイが自身の剣に魔力を纏わせてゴーレムへと斬りかかる。


「っっ、斬、れ、ろっ!!」


才はあれど子供の腕力、弾かれそうだったのを強化魔法で無理矢理押し込んだ。

ズドンっと、ゴーレムの腕が斬り落とされた。


「流石だな……」


武の名門スタッガルド侯爵家を、名乗るだけはある。

アシュレイの剣の腕は、年齢とはかけ離れたレベルのものだ。


「いえ……駄目みたいです。復活します」


アシュレイが斬り落としたゴーレムの腕は、みるみる内に修復され、当初と何1つ変わらない姿のままだ。


「何か突破口はないのか……?」 


生半可な攻撃では、直ぐに復活してしまう。

このメンバーでは、圧倒的に攻撃力が足りていない。


やはり、リュートやユーリアと分断されてしまったのが痛かったな……せめて、どちらかがこの場に居れば何とかなったものを。


「殿下っ、来ますっ!!!」


「全員回避っ!!」


俺の指示で、全員で回避行動を取った。

瞬間、先程まで自分達がいた場所が黒い光に焼かれる。

攻撃が単調とはいえ、当たれば致命傷は確実だ。

気を引き締めて、挑まなければならない。


これ以上、無い物ねだりしてもしょうがない。

リュート達が居なくとも、今は目の前の敵をどうにかして倒さなければ。


「おい、レイ何か案はないのか?」


俺は敵の攻撃を回避しつつ、斜め後ろにいるレイアスへと解決策を求めた。

レイアスは嫌味ったらしいところもあるが、頭は切れる。


「うーん、魔眼持ちが2人ともあっちに行っちゃったのは痛手だったよね……まぁ、何とかするしかないよね。王太子殿下ともあろう方が、まさか年下におんぶにだっこして貰うつもりじゃないだろう?」


困ったように笑いながらも、レイアスの瞳の奥は冷静に解決策を模索していた。


……やはり、こいつは侮れない。

リュートもだが、決して敵に回したくない相手だ。


「……ふんっ、冗談を言う元気はあるようだな」


そして、こいつが煽るような事を言う時は、余裕がある時だ。


「まぁ、ね? 僕としても、早くリュー達と合流したいからね」


「……相変わらずのブラコンだな」


これだけ余裕があれば、たかだかゴーレム如き瞬殺出来そうだ。

それに此処にはこの厄介なレイアスだけでなく、剣の才に秀でたアシュレイ達もいる。

こんな時でも平常運転のレイアスのお陰で、張り詰めていた気が少し緩んだ。


「当然! 何せ、あの子は天使だからね」


だが、最後に続けられた天使発言には正直引いた。

父上は将来ユーリアをリュートへと嫁がせたいと考えているようだが、もしそうなったら小姑並みに虐められるだろう。

仮にそんな未来が訪れたら────


……………………。

ユーリアの胃に穴が開きそうだな……。


そうなった場合、俺が兄として、何としてでも(ユーリア)を守らなければならない。


……やはり、父上にはユーリアがもっと伸び伸びした環境に嫁げるように意見をしよう。


冬の童話祭に参加表明しました。

此方は毎日何かしら更新にはカウントしない予定なので、更新スピードに変化はないです。

その内更新します!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ