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雲居なす  作者: 霜月透子
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70の朝昼夜

70の朝が流れ去って

70の昼が飛び去って

70の夜が溶け去って

そうやって

70の日々が崩れ去り

瓦礫の向こうに

71の夜明けが訪れる


こうして日々が移ろえば

しだいに瓦礫も消え去って

あたりにやわらかな風が吹く


たとえ記憶が薄れようとも

交わした声は風の中に

触れた温もりは陽だまりのもと

流れて飛んで溶けた日々は

その地にたしかに沁み込んで

思いは永遠とわに在り続ける



そしてやがては

幾千幾万の優しい朝日が昇りはじめる












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