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夢の通い路
現よりも鮮やかなぬばたまの夢
かつてと変わらぬあなたの温もり
あなたの眼差し受けながら
その手をじっと待つ
そっと頬を撫でる仕草もそのままで
私は囁く
あなたを失う夢を見た
終わらぬ苦しい夢を見た
あなたは優しい声をかけ
ギュッと指に力を込める
あなたの顔が近づくから
私はそっと目を閉じる
いつものように瞼に口づけ
私は小さく微笑んで
愛しさを言葉にしつつ
目を開ける
されど
そこにあなたはいない
そこにあるのは
日も昇らぬ薄暗い朝
目覚めれば
私は今日も
あなたのいない夢を見る