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陽だまりに
季節が下るほどに滑り込む温もり
陽射しは部屋の奥へと延びるのに
在るべき姿は今いずこ
あなたのいない
四角く切り取られた陽だまり
去りし年より大きく見える陽だまり
在りし日の影は幻
やがては影さえ儚くなる
薄れて溶けて
ひとつになる
薄れゆく影をそっと抱き締める
いつかは陽だまりに溶け込むとしても
今はまだ
残る温もり
残る重み
溶けた影の行方に想いを馳せる
馳せる想いが薄れぬように
季節は下る
陽射しは延びる
そして
いつしか翳りゆく