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お題シリーズ  作者: 瑠璃蝶草
~急募、君の機嫌の治し方~
1/3

1.何が原因か考えてみましょう

お題シリーズ第一弾は……無意識の行動で春都の機嫌を損ねてしまった豹牙。さて、どうやって彼女の機嫌を治すのかなぁ?

それは本当にタイミングが悪かった。


俺の見た夢と。


無意識の行動と。


近くに春都が居たこと。



すべて、タイミングが悪かった。




「豹牙~、起きて~?」

「……んぅ…」


朝食を作り終えて、冷める前にと、寝ている豹牙を起こしに来た春都。

だが、当の本人は布団に丸まっていまだ夢の中のようだ。

春都は苦笑すると、しゃがんで軽く布団をたたきながら、

顔を近づける。


「起きて、豹牙? ご飯冷めちゃうよ」

「…………ぅ…んー」

「ひょーがー?」

「……んっ」

「わっ!?」


揺り起こしていたら、突然豹牙の腕に捕まり、

布団の中へと引っ張り込まれる春都。


「ちょ、こら。豹牙!!」


抱きしめれる形に拘束された春都はもぞもぞと動き、

抜け出そうとする。


……恋人に抱きしめられるのは全然構わない。

でも、今は朝食の方が大事!


と、春都には春都の優先順位があるので、

必死に抵抗する。


「豹牙!」

「…ん……ぃ…」

「え?」


豹牙が何か小さく呟いた。

よく聞き取ろうと、なんとか体勢を変え、

豹牙の顔に耳を寄せる。



「…ぁ…め…」

「え?」


次の瞬間、春都の表情は凍りついた。




「…ナ……ギ……」



小さいが、はっきりと豹牙は「あの子」の

名前を口にした。

……しかも、春都を抱きしめたままで。

更に腕の力を強くして。


「っ…!!」


一瞬、心臓が氷の手で鷲掴みされたように

冷たく、止まったが。

一気にドロドロとした、それでいて

マグマのような熱を持った嫉妬が

湧き上がり、つい……





アッパーをかました。





「ぐはっ!!!」


思いっきり仰け反り、痛みで目が覚め、

顎を抑えて悶える豹牙、


一方春都は、豹牙の腕から解放されると

じんじんと痛む手を無視して、

布団の中から抜けだして、豹牙を

見下ろす。

……その眼差しは絶対零度!!

口はギリギリで微笑んでいるが……。


はっきり言おう。



メチャクチャ怖い!!




「は……はる、と?」


「……おはよう、豹牙。

朝ご飯冷めちゃうから早く着替えて来てね」

「お、おう……」


起きたら何故か超絶不機嫌な恋人を

前に、豹牙はただ驚くばかりで、

その理由も聞けず、春都は部屋を

出て行ってしまった。




「……俺、何かしたっけ?」



豹牙の小さな呟きに答える者はいなかった。



(何故、不機嫌?理由も分からず見送った)



(……あ!もしかしてアレがバレた?!)

(「……はぁ、ついアッパーしちゃった。後で謝らないと……」)

(やっべぇ……早く謝らねぇと!!)





今回は「fisika」様よりお借りしました。

http://fisika.at-ninja.jp/index.html

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