表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

エスコートのない夜会

本作は、シリアス要素一切なし・ストレスゼロで駆け抜ける「完全コメディ特化のざまぁ」です。

おしゃべりな証拠品たちと完璧令嬢のキレキレなツッコミを、サクッと笑ってお楽しみください!



 

「……出たよ。またあの二人か」


 王立学園の卒業を祝う、王宮での大夜会。


 眩い魔法石のシャンデリアの下、華やかなワルツが流れる大広間で、私は冷えた果実水のグラスを持ちながら盛大なため息を吐いた。


 広間の中央で、周囲の視線を一身に浴びながらドヤ顔をキメているのは、我が国の第一王子ユリウス殿下。


 そしてその腕の中で「ユリウス様ぁ、みんなに見られちゃってますぅ」と、これみよがしに身を縮ませているのは、フリルまみれの男爵令嬢クレアさんである。


 ……うん。控えめに言って、頭が痛い。


 本来であれば、あそこに立つのは完璧な公爵令嬢である、婚約者の私のはずだ。


 周囲の貴族たちは「信じられん……」「王太子の自覚がおありか?」とドン引きしてヒソヒソ囁いているが、私としては「あーあ、またいつもの三文芝居が始まったよ」という呆れしかなかった。


 悲壮感? そんなものは殿下の執務を徹夜で代行した夜に、王宮のゴミ箱に捨ててきた。



 学園にいる間も、ずっとこれだったのだ。


『お前が嫉妬から、クレアの教科書を隠したのだろう!』


『クレアを階段から突き落とそうとしたのを見た者がいるんだぞ!』


 週替わりで披露される、あまりにもお粗末な喜劇コントの数々。


 こっちは徹夜で王太子の仕事を代行していて、分刻みのアリバイが完璧に証明されているというのに!


 そのたびに呼び出され、ピーピー泣き喚く男爵令嬢の相手をさせられる身にもなってほしい。ただでさえ激務なのに、これ以上ポンコツの尻拭いをして過労で倒れてはたまらない。


 現在、国王夫妻は外国での用事で不在。ストッパーがいないこの大夜会で、ついに公の場にまで愛人を同伴したか。


(これから先も、あのお花畑な二人の茶番に付き合わされるのかと思うと……うん。無理。絶対に無理。私の胃に穴が空く)


 私は、手の中のグラスを軽く揺らした。カラン、と氷が冷たい音を立てる。


 こんな不毛な茶番、もうサクッと終わらせてスッキリしたい。


 と思っていたら、広間の中央でユリウス殿下が何やら側近に耳打ちをした。側近が真っ直ぐに、壁際に立つ私のもとへと歩み寄ってくる。


「セリア様。ユリウス殿下が、広間の中央へお呼びです」


 はいはい、来ましたよ恒例行事。


 私は「完璧な公爵令嬢スマイル」を顔に貼り付け、いっそ清々しい足取りで広間の中央へと歩み出た。



 さあ、今日はどんな馬鹿げた言い掛かりをつけてくれるのかしら?




第1話をお読みいただき、ありがとうございます!

次回、いよいよ前代未聞のフライング断罪劇ギャグが幕を開けます。

少しでも楽しんでいただけましたら、ぜひ【ブックマーク】を押して続きをお待ちいただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ