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こしあん

暖かい日差しに目を覚ました桜の木は背伸びをした。


(う~ん、何だかムズムズするな、誰かに呼ばれてる気がする)


そう思った次の瞬間、突然桜の木は飛べるような感覚に襲われた。

桜の木は居てもたってもいられず、たくさんの根を地面の上に出すと、いつの間にか用意されていた、たくさんの靴を履き思いっきりジャンプをした。


「あっ、飛べる!!」


桜の花びらたちが一斉に舞い散る中、大空上空まで到達した桜の木は泳ぎ始めた。

それと同時に花びらたちも大空を泳ぎ、大空はまるでピンク色の雨でも降っているかのようだった。


「誰かに呼ばれている⋯⋯」


再び、そう感じた桜の木はその想いだけで大空を超え宇宙を漂い、ついに月の上空へとやってきたのだった。


眼下の公園のベンチに男女が座っている。


「あの人だ⋯⋯」


その男女に近づくにつれ、桜の木はその男女の女性の方に呼ばれたのだと確信した。

その女性は桜の木が今まで見たこともないような美しい女性だった。

月の公園のようなその場所で男性とベンチに並んで座っているその美しい女性は幸せそうな表情でピンク色の飲み物を飲みながら地球を眺めている。


桜の木は思い立って、その女性が座っているベンチの真横に降り立つと、たくさんの靴を脱ぎ地面の中に根を張った。


女性は桜の木を見ると言った。


「来たのね、待ってたわ」


その言葉に嬉しくなった桜の木は、そっと桜餅をその女性に差し出したのであった⋯⋯。

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