第4章 虚構と真実
「ここが、あの“爆発”の聖地か…」
陽翔が撮影所の門を見上げて言った。
「特撮の聖地。俺の科学魂が燃える!」
「燃えすぎて、撮影止めないでね」
結菜が笑う。
「でも、爆発って、物理だよね。圧力、温度、膨張率…」
「そう!科学は、特撮の裏側にある!」
科学部の4人は、撮影所の見学ツアーに参加していた。
湊斗は、照明機材の配置図をじっと見ていた。
「光の角度、反射率、色温度…全部、計算されてる」
「それ、物理の授業でやったやつ?」
「うん。でも、ここでは“演出”になる」
「科学が、物語になる場所か」
結菜がつぶやいた。
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写真:照明機材と湊斗の後ろ姿
「光の角度は、感情の角度。科学は、物語の裏側にいる」
コメント:
・「湊斗の言葉、また刺さった」
・「#照明の科学 #科学部の詩」
・「映画って、物理なんだな」
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「爆発シーンって、どうやって撮るんですか?」
陽翔がスタッフに聞いた。
「火薬の量と配置、風向き、カメラの距離。全部、計算です」
「やっぱり、科学だ!」
「でも、見せ方は“嘘”なんですよ。安全に見せるための演出」
「つまり、科学で“嘘”を作る?」
「そう。リアルに見せるための、計算された虚構」
「それ、面白いな」
大翔が言った。
「科学って、真実を追うものだと思ってた。でも、ここでは“嘘”を支える」
「嘘のための真実」
湊斗がつぶやいた。
「それ、タイトルにできそう」
「“虚構と真実”」
結菜が頷いた。
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動画:爆発シーンのリハーサル+陽翔の解説
「爆発は、物理。演出は、科学。嘘のために、真実がある」
コメント:
・「科学部、映画語るの新鮮」
・「#特撮の裏側 #科学部の爆発」
・「陽翔、テンション高すぎw」
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「レンズって、焦点距離で世界が変わるんだよ」
湊斗が言う。
「遠くを近くに、近くを遠くに。見え方は、選び方で変わる」
「それ、人生にも言える?」
結菜が笑う。
「かもね。どこに焦点を合わせるかで、見えるものが違う」
「俺は、未来にピント合わせたい」
陽翔が言う。
「それ、ちょっとかっこいい」
「音響も、科学だよ」
大翔が言う。
「反響、吸音材、周波数。全部、計算されてる」
「でも、聞こえるのは“感情”だよね」
結菜が言う。
「科学で、感情を作る。すごいことだと思う」
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写真:録音ブースとマイク
「音は、波。感情は、振動。科学は、心を揺らす」
コメント:
・「結菜の言葉、好き」
・「#音響の科学 #科学部の感性」
・「映画って、全部科学なんだな」
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「科学って、嘘を暴くものだと思ってた」
陽翔が言う。
「でも、ここでは、嘘を支えるために使われてる」
「それも、科学の使い方だよ」
湊斗が言う。
「真実を知ってるからこそ、嘘が作れる」
「俺たち、科学で物語を作れるかも」
「文化祭で、科学映画やろうよ!」
「それ、いいね!」
結菜が笑う。
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動画:4人が“科学映画”の構想を語る
「科学で、物語を作る。嘘のために、真実を知る。科学部、映画に挑む!」
コメント:
・「見たい!」
・「#文化祭予告 #科学部の挑戦」
・「科学部、かっこよくなってきた?」
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「次は、牧場だね」
結菜が言った。
「牛と微生物の世界。見えない命を、科学で追う」
「俺、牛と話してみたい」
大翔が言う。
「それ、微生物語ってこと?」
「そう。腸内の会話、聞いてみたい」
「それ、ちょっと怖い」
こうして、科学部の“虚構と真実”は、物語の裏側に記録された。
次の目的地は、小泉牧場。
見えない命の世界が、彼らを待っている。




