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賞味期限1年の恋  作者: AM
第3章 思い出の作り方
22/22

沙月編:7話 接吻

2年前…




「好きです!付き合ってください!」

私は、同じ部活の3年生の先輩に告白された。

「はい!」

私は、了承をし、付き合った。

この時は、嬉しかった。

私は、いつも優しくしてくれる先輩と付き合えたからだ。

それからの日常は夢のようだった。

平日は先輩と毎日メールと電話をして、休日になったらデートに行く。

この生活が私の中の1番の幸せだった。


なのに……


「お前、うちの彼氏と付き合ってるだろ?」

私は、同じ部活の女の3年生の先輩に、そう言われた。

そこで私は確信した。


あ…騙されたんだ…


それから、私は部活内で嫌がらせをされるようになった。

靴を隠されたり、部活の後片付けを全部私に押し付けたりと…


まあ数え出したらキリがない。

そうして、私はこの嫌がらせに耐えられなくなり、部活を辞めた。

部活を辞めた後も、日常生活で嫌がらせを受けたりはしたが、もう、途中から受けても何も感じなくなった。

そういう状況が、先輩が卒業するまで続いた。


それ以降、私は恋愛をするのがすごく怖かった。


また騙されるのではないか?


嫌がらせを受けるのではないか?


と、頭の中で常に思ってしまう。

私は、もっと男の子と仲良くしたかったけど、どうしても、どうしても過去のことが忘れられなかった。


だから…私は凪音くんと、もっと仲良くしたくてもできなかった。

凪音くんは、こんなことをしないと思う。

だけど…


「ねえ、みもりん?過去を振り返るのは悪くないことだと思うよ。過去に縛られて行動ができないこともわかる。だけど、どこかで過去を乗り越えないと、一生このままだよ?」


………


私は、どうしたら過去を乗り越えられるのだろうか?


「いま、みもりん、どうしたら過去を乗り越えられるのだろうって思ったよね?」

「え……」

「うちは、もう答えが出てると思うよ。」


答えが出てる?


「それは、凪音くんのことを信じることだと思うよ。」


凪音くんを信じる?


………


「ねえ、一回、凪音くんのことを信じてみない?」


……

凪音くんと仲良くしたい。

信じたい。

信じてみたい。


「もう一回言うけど、うちは、凪音くんが裏切るような人じゃないと思うよ。」


確かに。

凪音くんは裏切るような人じゃない。

いつも真っ直ぐで、でも臆病で

それでもそこに、優しさがあって。


そんな人が裏切るとは思わない。


「一緒に、凪音くんを信じてみよ?」

「うん…」


私は凪音くんを信じることにした。


「みもりん、うちはね、みんなと、仲良くしてるみもりんが好きだよ。だって、そのおかげで、うちは救われたんだもん!」

「由花が私に救われた?」

「うん!みもりんは気づいていないかもしれないけど、私はみもりんに何回も救われてるよ!」

「……ありがとう…」

「お礼を言わなきゃいけないのは、こっちの方だよ!みもりん、ありがとう!」


私は、

人と仲良くするのが怖かった

だけど…

人を信じて、仲良くしてみようと思った。


「あ、由花、お家にお邪魔しちゃったけどよかったの?」

「うん!今日、お母さんもお父さんも仕事でいないから。」

「そっか。あ!もうこんな時間!」

「そうだね。」

「私、家に帰ってみようと思う。」

「うん!それがいいよ。」

「由花、ありがとう。」

「みもりんが元気になれたら、それで嬉しいよ!あ、途中まで送ってくね。」

「ありがとう。」

私は、由花と一緒にさっきの公園まで歩いた。

さっきまで降っていた雨は、もうあがっていた。

歩いている間に、私は由花と色々な話をした。

凪音くんと幼馴染だったこと、凪音くんと新幹線でおしゃべりをしたこと

いっぱい話した。

そして、公園に着いた。


「由花、ありがとう。大切なことを教えてくれて。」

「みもりんが悩んでたんだから、助けるのは当然だよ!」

「ありがとう。じゃあ、また明日、学校でね!」

「うん!」

私は帰路につこうとした。

「みもりん!」

後ろで声がかかった。

「どうしたの、由k…!」


っ…!

その時、確かに触れた。

お互いの…


「恭平には内緒だぞ♪」

彼女はいたずらにそう言い、家へと帰っていった。


由花….

ありがとう。

私は心の中でもう一度、お礼を言った。

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