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賞味期限1年の恋  作者: AM
第2章 揺れる前期神戸修学旅行
19/22

凪音編:10話 三森さん!?

さて、病室でゴロゴロし、スイカを食べ、寝ていたら、いつのまにか月曜日になっていた。

今、僕は診察室で最後の診察を受けている。

「うん。異常ないね。これなら今日、無事退院できますね。」

「良かった。ありがとうございます。」

「では、今日の14時に親御さんが迎えに来られるようなので、それまでに準備をしておいてください。これ、運ばれた時に来ていた制服です。お返しします。」

「先生!何から何までありがとうございます。」

「どういたしまして。次は熱中症にならないように気をつけてください。あと、クラスメイトの子にお礼を言っておくように。」

「はい!ありがとうございます。」

僕は病室に戻り、昼飯とスイカを食べた。

今日で、この味の薄い病院食と、大山が持ってきたスイカを食べるのが最後かぁ…

なんだか名残惜しい気がする。

さて、飯も食べ終わって13時だったので僕は着替えた。

うーん。やり残したことはないな。

まあ病院でやり残すことなんて、そうそうないだろう…


あれから40分が経った。

「凪音さん!お母さまのお迎えが見えました!」

「そうですか。今、行きます。」

僕は看護師さんに連れられ玄関まで向かった。

玄関についた時、急に後ろから声をかけられた。

「凪音くん♪」

「うわ!って、三森さん!?なんで…」

「えへへ、凪音くんの、パパとママと一緒に来ちゃった!」

は?なんで…?

「凪音!沙月ちゃんよ!」

お母さんが言った。

「いや、それはわかるけど…なんで?てか三森さん、学校は?」

「あんた、何言ってんの?今日、祝日よ?」

「ああ…いや!そんなことより、なんで三森さんがいるの?」

「ああ、それはね…あんた覚えてない?むかーしのこと。」

「え…?」


「沙月ちゃんはね、あんたの幼馴染なの。」


は?母さんは何を言ってるんだ?え、これは夢か?

「は?幼馴染?」

「そう。まあ、あんたが幼稚園の時、引っ越しちゃったんだけどね。それで、この間、沙月ちゃんのお母さんから電話があってね。凪音くん、大丈夫?って。」

「は、はあ。」

「で、お母さんもびっくりして、沙月ちゃんのお母さんいわく、沙月ちゃんが、中学に上がると同時にこっちに戻ってきたみたい。」

「それでね、私、凪音くんが心配で、ついてきちゃった!」

いや、え?マジで?は?

「三森さんは、僕が幼馴染って覚えてたの?」

「ううん、この間、ママから言われるまでは、気づかなかった。」

「え…」

「てか、凪音くん。昔みたいに、さっちゃんって呼んでよ〜」

三森さんがからかってきた。

「さっ…!?」

いや、待て。さっちゃんっていう奴がいたのは覚えてるぞ!でも、今と、まるで、いや見た目とか色々と違う。

「てか、あんた。沙月ちゃんにお礼言いなさいよ。」

「あ、三森さん。その、色々と助けてくれてありがとう。」

「ふふ、どういたしまして!それと、三森さんって呼ばなくていいよ。」

「え?」

「学校の時は沙月さん、2人でいる時は、さっちゃんって呼んでくれると嬉しいかな!」

三森さん、いや、沙月さんは照れくさそうに言った。

「わ、わかった。さ、さっちゃん…」

「ふふっ」

「母さん、何笑ってるんだよ!」

「いやあ、昔を思い出してね。」

「っ……!」

僕は、今、どんな顔をしているのだろう?

わからない。

想像したくもないな…

でも、今、確かに言えることがある。

幸せだ。

それに尽きる。

「さ!凪音くん!帰ろっか!クラスに!」

「あ、あぁ!」

そうして、もう一度始まった。

僕と沙月さんの中学最後の学校生活が!

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