表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賞味期限1年の恋  作者: AM
第2章 揺れる前期神戸修学旅行
15/18

凪音編:7話 神戸修学旅行

ジリリリリリ…ジリリリリリ…

「凪音〜!いつまで寝てんの?今日修学旅行でしょ?早く起きて準備しなさい!バス、置いてかれるわよ!?」

っ……は!今何時だ?学校の集合時間は6時半のはず。今は?5時50分!?やべ!実質準備できる時間20分だぞ!?

「母さん!今日、朝飯いらん!」

リビングに急いで降りながら言った。

「何言ってるの?朝飯ないと体調崩すわよ?」

「崩さん、崩さん、崩すわけねえ!」

そう言いながら歯磨きと身支度を同時にした。

「そう。これだけは持って行きなさい。」

「なんだこれ?」

「下痢止めと、栄養食よ。」

「は?」

「あんた、いっつもこういう時、下痢するじゃない。栄養食はタイミングを見て食べなさい。」

「あ、ありがとう。」

そうこう準備していたら6時5分だ。

「母さん、行ってくるわ!」

「行ってらっしゃい。」

僕は両手に荷物を持って学校に向かった。

校門の前には大山がいた。

「凪音、遅刻ギリギリだぞ。もっと早くに来い。」

「すみません!」

そう言いながら僕は急いでバスに乗った。

「凪音、遅かったな。」

隣の座席の伊崎が言ってきた。

「ああ、寝坊した。」

「凪音くん、ドジだね。」

前の席の人から言われた。

「三森さんっ…」

そう、三森さんとは喋れるようになった。

いや、厳密に言えば、一昨日くらいからだろう。まあ、あれだ、段階を踏んでちょっとずつ喋れるようになった。

「伊崎、僕は寝るわ。神戸に着いたら起こしてくれ。」

「ああ、わかった。」

そう、昨日修学旅行の緊張で寝れなかった。神戸までは高速で3時間。まあ、寝てればすぐだろう。


「着いたぞ。凪音。」

「ん…もうか…」

「ああ、着いたぞ。サービスエリアに。」

「サービスエリアかよ。」

「お前、トイレはしといた方がいいぞ。」

「そうだな。」

僕はバスを降り、トイレに向かった。


グラッ…


おっと。立ちくらみか?まあ、あんな姿勢で寝てたからな無理もない。

さて、トイレ、トイレ

うわ…めっちゃ混んでるじゃん。

5分くらい並んでようやく用をたせた。

そしてバスに乗った。

「ん〜、伊崎。また寝るわ!」

「またかよ。」

「ああ、神戸着いたら起こしてくれ。」

「はいはい。」


「着いたぞ、凪音。」

「サービスエリアじゃないよな?」

「ああ、今回は正真正銘の神戸だ。」

「そうか。」

僕はバスを降りた。


グラッ…


今日はやけに立ちくらみが多いな。気のせいか…

さてとりあえず集合するか。


「はい、整列〜。お前ら今から自由行動だけど、変なことはすんなよ。あと、何かあったら、班長に渡してあるガラケーで俺に連絡しろ。じゃ、解散」

大山が言った。

伊崎がガラケーを持っているらしい。まあ、使うことはないだろう。多分

「じゃあ、南京町行くか!」

「歩いて行くのか?」

「そんなわけねえだろ。タクシーだよ。」

「タクシー?」

僕は伊崎に聞いた。

「ほら、あそこにいっぱいとまってるだろ?ま、お前が歩いて行きたかったら、歩いて行ってもいいけど…?」

「いや、ありがたくタクシーを使わせてもらう。」

「だな!」

僕たちはタクシーに乗った。5人班なので2台に分かれてタクシーに乗った。僕は伊崎と2人で乗った。

そして、伊崎と話しているうちに、いつの間にか着いていた。

「南京町、到着!」

「やった〜!」

女子たちが嬉しそうに言った。

「じゃ!とりあえず、食べ歩きだな!」

僕たちは2時間くらいだろうか食べ歩きをした。

「ねえねえ、凪音くん!これ、私こんなに食べられないから半分こしよ!」

三森さんに言われた。

「いいよ。」

三森さんと半分こ。これほどいい体験はないだろう。さて、もうそろそろ、ポートタワーの方に移動かな。

「伊崎…ポートタワーにそろそろ移動だよな?」

「そうだな、そろそろ行くか。」

僕たちはタクシー乗り場に向かった。

気のせいだろうか?さっきから、なんかめまいがしてきた気がする。

いや気のせいだろう。

「タクシー来ないな。」

僕たちはタクシー乗り場に着いたが、あいにくタクシーが一台もいなかった。

「いざk…」


っ……なんだ、これ?

体験したことないくらいのめまいが体を襲う。いや、まて、視界も若干暗いぞ?


「どうした?凪音?」


伊崎…いや、それが


あ、れ?

声も出ねえ


おい、ちょっと待て

足に力が…


おい…


嘘だろ…?

だんだん、前が見えなくなっていく…


あれ?これ、僕、終わった?


ドタッ……


僕は倒れた。

理由はわからない。

倒れたかもわからない。

ただ、地面の硬い感触だけが最後に残った。


なぜだろうか?中学1年生の、あの時のことを走馬灯のように見た。


はは…


死ぬ時まで、これを思い出させるとはな…


まあ、最後くらいは、しっかり、見ておいてやるか…


あの時のことを……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ