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賞味期限1年の恋  作者: AM
第2章 揺れる前期神戸修学旅行
14/15

沙月編:3話 凪音くんに聞きたいこと

ゴールデンウィークが終わり、修学旅行まで残り2週間となった。今は6時間目。修学旅行に向けて班ミーティングの時間だ。

「とりあえず、南京町は決まっていたよな?あとはどこに行きたい?」

伊崎くんが班全員に聞いた。あ、私、神戸に行ったら行きたい場所あったんだ。

「私、ポートタワー行ってみたい。」

「ポートタワーいいね。」

凪音くんを除いた班員がそう言った。凪音くんと隣の席になってから2週間近くが経っているが、なぜか私は凪音くんに嫌われているようだった。

「ねぇ、凪音くんはどう思う?」

凪音くんに聞いてみた。

「あぁ、いいと思うよ。」

いっつもその返事ばっかり。

授業の交流の時もそう。凪音くんから話しかけにきたことなんて一度もない。

なんでなんだろう?私、凪音くんに知らないうちに嫌なことをしたのだろうか。いつも考えていても仕方ないと思う。が、どうしても考えてしまう。もういっそのこと、後で本人に聞いてみよう。私のこと嫌ってるのかどうなのか。じゃないとモヤモヤしたまま修学旅行を迎えてしまう。

今日の班ミーティングは退屈だった。なぜなら、みんな疲れたような表情をしていたからだ。まあ、休み明けの6時間授業っていうのもあるんだろうけど…

私は前期の修学旅行で神戸以外にも楽しみなことがあった。それは最終日の大阪城だ。私は大阪城に行ったことがない。やっぱり、一度も行ってないところに行けるのは嬉しいし、ワクワクする。そう考えているうちに6時間目が終わった。

あとは下校なのだが、私は帰りの会の後に凪音くんを呼び止めた。

「ねぇ、凪音くん。後で自転車置き場来れる?」

「え、いいけど…」

約束をし、一旦別れた。私は掃除当番だったので遅れて自転車置き場に向かった。

「ごめん、待たせた?」

「いや、僕も今来たことろ。それで、何で僕を呼び出したの?」

「うーん、ちょっと近くの公園でしゃべろっか。」

学校から歩いて3分のところに小さな公園がある。私は凪音くんと一緒に歩いた。案の定、歩いている最中に会話はなかった。公園に着いたのでベンチに腰がけた。凪音くんは何故か警戒しているようだ。

「凪音くん。」

「う、うん。」

「短刀直入に聞くね。」

「え、うん。」

「凪音くんは私のこと、どう思ってるの?」

「え…どう思ってるって…」

「うん。どう思ってるの?」

「そりゃあ…仲良くしたいと思ってるよ。」

よかった。嫌っているわけじゃなかった。でも、仲良くしたいと思っているのなら、なぜいつも話しかけても反応が薄いのだろう。

「じゃあ、何でいつも、私が話しかけても、反応が薄いの?」

「え……、それは……」

「私はね。ううん、私もね、凪音くんと仲良くしたいと思ってる。だから気になるんだ。なんでそんなに反応が薄いのか。」

「怖いんだ。」

「怖い?」

「うん…三森さんは、僕と違って明るいし、みんなに優しいし、人気者だし。だから、僕、三森さんと話そうとすると、どうしても、怖いんだ。僕が、話しかけたって、迷惑じゃないか?とか、無視されるんじゃないか?とか、考えちゃって、それで…、話しかけたことで、嫌われるんじゃないかって…」

凪音くん…

そんなこと、私が思うわけないのに…

「私が、話しかけられただけで嫌う?それはないよ。むしろ、話しかけられると嬉しいし。だって、私、人と喋るのが1番好きだもん!」

「え…」

「だから、凪音くん。これからはいつもより、明るく接してほしいな。」

凪音くんの明るい時の姿が私は好きだ。だから…

明るく接して欲しかった。

「わ…わかった…ありがとう…」

「これから、よろしくね。」

「うん。」

もうすぐ習い事があったので、私は凪音くんと別れた。明日からは凪音くんは普通に接してくれるようになるのかな?でも、それは明日になってみないとわからないか。でも凪音くん、なんで話しかけるだけなのに、そんなに考えていたのだろう?

まあ、私は凪音くんじゃないからわからないか…

明日から、ちょっとづつでいいから、友達になっていきたいな。でも、修学旅行で一緒に過ごしているうちに友達になれるか!あ〜、修学旅行楽しみ!


この時は知らなかった。修学旅行中に凪音くんの身にあんなことが降りかかるなんて…

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