誰が真実6
誰が真実6話です。
話が進んできました。いずはとますみとほかの人たちの目的は何なのか。
どうぞよろしくお願いいたします。
いずは「あ、おはようございます!」
ますみ「先生、おはようございます」
拓海「、おはようございます」
いずはもますみも話を切り上げる、拓海と顔を合わせたいずはが拓海に向ってウィンクをした。
ますみ「先生、遅刻じゃないですか?」
手元に掲げたスマホを見ると、自宅を出てから20分ほど経過していた。
先生「今朝は、会議も部活もないのよ」
ますみ「…」
そういって先生は手にまかれている腕時計をチラリとみる。
先生「そうはいっても、もうそろそろ行かなくちゃね」
先生「私の車、すぐ近くに止めてあるんだけど、よかったら乗ってかない?」
暑いんでぜひ!といずははそういって、二人が遠慮する隙もなく真っ先に先生の車のほうへ駆け寄っていった。
車の中に乗ると、先ほどまでエアコンがついていたのもあってとても快適だった。
ますみは助手席に、拓海といずは後部座席に乗り込む。
先生「じゃあいい、でるわよ」そういって先生は車を、出発させる。
拓海「先生」
先生「なに?」
先生「暑い?」
拓海「いえ全然涼しいっす」
そうか。先生はフロントミラーで拓海をチラと見て話を続けた。
先生「何かあった?」
拓海「いやー、なんで俺たちところに来たのかなーって」
あー、と先生は言う、いずはを横目で見ると、すっかりだらけきっていた。
先生「なにかあった?」
先生「もしかして迷惑だったかしら?」
拓海「いえ!それはあり得ないです!暑さで遅刻しそうだったんで!」
拓海「ただどうして乗せてくれたのかなーと思いまして」
先生「そう。…たまたま学校へ向かう途中、あなたたちを見かけたから」
拓海「そうなんですか、あり…」
いずは「ありがとうございます!」
つい先ほどまでだらけきっていただけだったいずははいつの間にか姿勢をただし声を張り上げた。
いずは「あのままでは学校へつく頃には、暑さでへたばって授業も身に入らなかった次第です!」
いずは「まあいつも授業には身が入りませんが」
先生「最後は空耳かしら」フロントガラス越しに冷たい視線を送る。
いずは「冗談です」
先生「そう」
拓海「…」
拓海(…先生、今週までの課題出してたような)
いずは「でっすー!」
余裕がある感じでナハハと笑っているので多分もう終わらせたんだろう。
拓海「…」
先生「あと少ししたら着くわ」
先生「ついた」
ほえっ、いずはは、少しの間でしっかりとくつろいで、スマホを眺めて、すっかり極楽気分だった。
拓海「ありがとうございます」
ますみ「ありがとうございます」
いずは「先生ありがとう…って、校門の前なんですけど、駐車場に行かなくていいんですか?」
いずははスマホをカバンの中にしまうと、バックミラー越しに先生に尋ねた。
先生「いいのよ、今日持ち物検査やってるみたいだから」ほら、先生が車から校門のほうを手で示す。
いずは「…」
悩むいずは。校門前では暑い中、先生と数人の生徒が手伝い、登校してきた生徒たちの荷物を確認していた。
先生は、ほら、と駐車場に行きたいから、と先生は拓海たちに促す。
拓海「先生ありがとうございました、いくぞー」
バタン、車のドアを閉め、外に出るとエアコンの効いた車内がどれだけ快適だったのかをさらに理解する。
拓海「あ…」
いずは「あつ…」
ますみ「…」
教室につくとすぐさま、いずはは小型の扇風機を二台を、カバンから机の上に取り出した。
いずは「ふー、」
ますみ「暑すぎるな」
いずは「ねー」
ますみが教科書で顔を仰いでたので一台ますみのほうへ貸し出す。
ますみ「すまん、ありがとう」
ええってことよ、と手でぐっとジェスチャーを送るいずはは…とろけていた…。拓海は教科書やらノートを机にしまい終えると今朝の話の続きをする。
拓海「なあ」
あまり周りに聞こえないように小声でいずはとますみに問いかけた。
いずは「ん、なに」
相変わらずとろけて机に突っ伏しているいずはは、机の上の扇風機に顔を近づけたままの態勢でこちらを向く。
拓海「今朝、俺がどうとか話してたじゃん」
いずは「あーいったけどお、それが?」
拓海「色々聞きたいんだけど」
いずは「えー、さっき全部話したじゃん」
ねー、ますみー、とますみに話を振るいずは。ますみもおおむね先ほどのいずはが話した内容を不満に思っていなく、ウム、と力強くうなずいた。
拓海「あー、けど、えーと」
拓海「なんか聞くことあったんだよなー」
いずは「…」クククと笑ういずは。何を聞いたらいいのか、つい先ほど聞かされたこともあって混乱していたのか、未だに頭の中で整理できていなかった。
拓海「ほら、あれだ、なんでお前たちが俺のこと知ってるかってこと」
いずは「え、さっき話したけど」
拓海「じゃなくてさ、なんか俺のこと知ってるからとか言ってたけど、そのなんていうの明確なことが聞きたいって言うか」
いずは「明確…うーん…」
拓海
ますみにきこう。
拓海「ますみ教えてくれないか」
ますみ「…」ますみは少し考えた後、
ますみ「拓海明確にといったな」
拓海「うん」
ますみ「さっきいずはが教えてくれたことと変わらない、俺たちは拓海のことを知ってるから、少しだけよく知ってるだけだ……けど聞きたいのはこのことじゃないだろう、さっきも聞いたしな」
ますみはいまだに席で悩んでいたいずはを確認すると、続きを話し出した。
ますみ「はじめに断っておくが、お前の体質については何も言えない、理由も聞かないでほしい、ただ俺たちは観察してるのかな」
拓海「観察?」
ますみ「うーん言うと微妙だろー、ちゃんと話せればいいんだけどなあ」
まあ、そんな感じだ、とますみが拓海に言った。いずははというと、ますみが説明しているからか諦めて、机の上に置いた小型扇風機で涼をとっていた。
拓海「…」
拓海「質問いい?」
ますみ「ん、なんだ?」
拓海「なんで観察してんの?」
ますみ「まあ、それはお前の体質が関係してるとしか」
拓海「え、何のために?」
ますみ「質問攻めだな」
拓海「いいだろ」
ますみ「まあ、いいか、何のためにっていう…」
拓海「…」
ピンポンパンポーン。スピーカーが教室になった。スピーカーの横にかけてある時計に目をやるとあと少しで始業の時間だった。
拓海「…後少しで始まるのに」
内容に耳を傾けると生徒の呼び出しをしていた。多分、今朝の持ち物検査についてだった。
スピーカー「―続いて一年c組、小清水拓海さん、続いて東条いずはさん、ここのは(九葉)ますみさん、職員室までお願いします、繰り返し……」
机でスマホをいじっているいずは。
拓海「なんか呼ばれたな」
ますみ「じゃあいくか」
こんにちは。引き続き暑くて、部屋から一歩外に出るとあまりの暑さに一瞬でへばっています。
皆さんも引き続き暑いですが、水分補給をこまめにして、暑さ対策をして、乗り切っていきましょう。(毎回言ってます。)