誰が真実(仮)1
拓海といずは、ますみ(幼馴染の男子生徒)と他二人を含めた物語。
ある日拓海は先生(登場人物の一人)に話を聞かれる。最初は特段不思議に思っていなかったが、それから物語は動き出していく。少し不思議なことが拓海自身に巻き起こる。
先生「はい、カット」
生徒「お疲れー」
生徒「お疲れ様ー」
夏休みが目前に迫った放課後、夏休み中に開かれる演劇の本番講演に向け、最終チェックを行っていた。特に、大きな問題もなく本日も練習を終え、あとわずかの修正と本番前に、細かな確認をするだけだ。
先生「みんなお疲れ様」
先生「今回もみんなのおかげで、いい形に仕上がってきたと思うわ」
先生は舞台上の部員たちに、今後の予定の確認や本番当日の段取りについて改めて確認した。
先生「急用で明日来れないかもだから、改めてだけど、当日は各自学校に来てから会場に行くから、集合時間はお昼だけど、夏だからといって帰りは夜になると、暗くなるから要人してね」
生徒「ハーイ」
先生「じゃ、今日は解散、お疲れ様」
練習が終わると各々が、下校の準備に取り掛かっていた。
主人公(そろそろ本番かあ、…おなかすいたし俺もかえるか)
先生「ちょっと待って」
帰り支度のため、そそくさと歩いていた拓海(主人公)は声を掛けられる。
拓海「あ、先生、お疲れ様です」
先生「うん、お疲れ様」
拓海「では」
先生「...」
会話も早々に再び帰ろうとした拓海に改めて話の続きをした。
先生「個別にあいさつがほしいわけがないでしょ」
先生はいつも通りの冷ややかな目でいった。さらに拓海へと話を続ける。
先生「あなたに少しだけ聞いときたいことがあって」
拓海「はあ」
拓海は正直、話半分で気のない相槌を打つ。
改めて向き直った先生は、真剣なまなざしで拓海を見た。いつも割とまじめな人ではあったが、いつにもまして真剣な表情で先生は話をつづけた。
拓海(なんか気に障るようなことしたかな…早く帰りたい感でてたかな…)
先生「まあ」
拓海「はい!」
先生「急に元気ね」
拓海「いえっ、最初から何も変わってないです!」
先生「…」
先生「…まあいいけど、ただ聞きたかったことがあって」
拓海「はい、なんでしょう」
先生「君最近、変わったようなことなかったかしら?」
慣れ親しむ帰り道、下校途中、隣を歩いていた女生徒から話を振られた。
女生徒「先生と帰りなんか話してたねー」
拓海「あー」
カラカラと自転車の車輪の音と遠くではセミの声が聞こえる。
一緒に下校しているのは、自宅のすぐ近くに住んでいる、昔から幼馴染のいずはと、もう一人の幼馴染で腐れ縁の男生徒の拓海を合わせ3人で、いつものように下校していた。
男子生徒「じゃあ、俺こっちだからー、また明日なー」
拓海&いずは「おーお疲れー、バイバーイ、また明日なー」
いずは「それで先生なんてー?」
二人は幼馴染を見送った後、いずはは改めて拓海に問いかけた。
暑いので拓海はカバンからペットボトルを取り出し喉を潤そうとしていた、ペットボトルはこの外の暑さですっかり、生暖かい温度になっていた。
拓海「それがよくわかんないんだよなー」
いずは「ふーん、そうなのかー」
拓海「まあなんか疲れて見えたのかなー」
いずは「…もしかして」
いずは「告白した?」
ブハッ、飲みかけていた飲料水が見事に吐き出した。少しいずはにかかった。
いずは「うわっ、汚っ」
いずは「図星?」
反論しようと顔を見ると、楽しそうにかすかに微笑んでいた。
拓海(楽しそうだ…)
拓海は口元についた飲料水を袖でぬぐう。
いずは「タオル貸そうか?」
拓海「いやいい、ありがとう」
いずは「私は感謝されて気分がいい!」
拓海(…?)
いずは「で、どうなんですか!」
拓海「ないない、それはない」
自分が持っていたハンカチで腕や服を拭きながらそう言った。
いずは「えー、どうかなー、先生美人だし、独身だし」
自分のカバンを後ろに回しながらクルクルと回ってつぶやく。
拓海「はぁー、いずはなあ、先生俺たちより年上だぞ」
いずは「そんなこと知ってるよー、年上っていっても二十代でしょー」
拓海「まあ、そうだけどさー」
拓海「ま、年齢どうにしても、付け加えるなら、美人なら引く手あまたでしょ、わざわざ学生を相手にしないよ」
いずは「ふーむ、そんなもんなのかー」
それも聞いて納得してる?はずなのに、よほど楽しかったのか一人で盛り上がっては、顔を赤らめたり照れたりしている。男性よりも女性のほうが恋バナで盛り上がるのだろうか。
まぁ、見るからにいずはがただ盛り上がりすぎているだけのような気もするが。
拓海「まあ、実際はさ、先生、最近変わったようなことはあったかとか聞いてきたんだよ」
いずは「変わったこと?」
拓海「そう変わったことーって、よくわからないよなー」
いずは「ふーん、それで拓海君はなんて言ったの?」
拓海「それだけ、特に変わったこともないし、いつも通りだったから、いつも通りです。って言ったら先生は、そうって言って、帰ってた」
いずは「そっかー、なんだったんだろ」
拓海「わかんね」
演劇の本番近いから、風邪とか体調の心配してくれただけだろう、部員全員が集まってるときに聞いてもよかったと思ったけど
拓海(ま、俺が疲れて見えたんだろ、他の部員がいるとこで聞かなかったのは色々気を使ってくれたんだろなあ)
先生も大変な仕事だ、と何様のつもりか感心をしつつ、息をつく。
「..みくん、拓海君」
拓海「ん?」
呼びかけに気づいて、隣を見るといずはが話しかけていた。
拓海「ごめん、聞いてなかった」
いずは「今日使おうとしてる卵が切れちゃってたんだ、商店街よるけど、先帰ってていいよー」
そういっていずはは、通学路から少しだけ外れている商店街の方向を指さした。
拓海「特にやることないし、付き合っていいなら、付き合うよ」
初めまして、yugilと申します。
今回小説を初めて人様に向けて書かせていただきます。
至らぬ点も多々ありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
リアルの都合、また私自身遅筆ではありますが、一生懸命頑張りたいと思います。
改めて宜しくお願いします。
※※ジャンルがうまく定まってないのでファンタジーと区別してありますが、異世界転生などはないです。※※