白い森。2
「ライラさんは気付いてないんですか」
またしても疑問になってしまった私は、諦めて力強く頷いた。
「なるほど、魔法使いじゃないとどんなに魔力を持っていても自分の魔力の強さはわからないんですね」
素人では魔力を探知することが難しい。
知識を身につければ魔力の種類や人の気配、魔力の量はわかるものの、強さだけは証明する術がない。
結果、魔法使いという特別な血を持つものしか力の強さはわからないのだ。
「ライラさんはかなり強い魔力を秘めています。戦闘とかになった時はかなり溢れ出ていますが、普段は人並みの量です。でも強さは生きてきた年数のせいかかなり強いんですよ」
生きてきた年数が原因だと知ると少し複雑ではあるが、こういう時に役立つのなら良かったと思うしかなさそうだ。
そのままヒスイは魔力に関する知識を教えてくれたが、魔力を最大に受け取るやり方は教えてくれなかった。
昔から約一割だけを残して全てを受け取る方法があるとされている。
その方法は最終手段とされているらしいが使うことがないため、なかなかそれを目的にはやらないらしい。
やはり古い魔法使いの家柄だけあってヒスイの魔法への知識はとても多く、普段とは違うヒスイを見ている気分になる。
「もうすぐ、森が変わりますね」
「どういうこと?」
「魔力の途切れがあるんです。でも見る限り森は続いてますし、その後も魔力の道は続いています」
道が隠されているということは誰かがその仕掛けをしたに過ぎない。
ただこれだけはっきりとした道が続き、今もなお道があるということは相当な魔力を込めたということだろう。
森が変わるのは魔力の種類が変わるという意味らしく、人から人へ受け継がれたのではないかとヒスイは言った。
「ここで魔力が途切れていますね」
見るとそこは大きな大樹の下だった。
まるでここが行き止まりかのように見えるが、ヒスイが杖をかざした瞬間、大樹がゆっくりと光を放ち始める。
眩しくて目を閉じるが次に目を開けた時にはその大樹はなく、代わりにあったのは白い森だった。
雪や吹雪で白くなっているのではない。
木の葉や木々が白いのだ。
「この森、魔法でできているね」
「はい、相当強い魔力を感じます」
白い木は実際にはこの世界に存在しない。
魔法で白くなった木々なのだ。
なんのためにこの森が造られたかはわからないが、この魔力は探知すればするほど自分の魔力を吸い取られていく。
「おそらくですが、結界の代わりかと。国を隠すように森が造られ定期的に魔力を注いでいるような感じです」
「ヒスイが言うのだから間違いないだろうね。早く出よう。きっと入った人の魔力も吸い取る気だ」
ホワイト王国は少し残酷性のある国だと知ってはいたが、まさかここまで残酷な国だと知ったのはその道中。
国の街に出るまで多くの魔力切れの遺体を見るのだった。
旅人ライラを読んでくださってありがとうございます。
次回からはホワイト王国編です。
よろしくお願いします。




