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雨上がり、水の都へ。1
次の日の朝。
空には虹がかかり、雨も嘘のように晴れていた。
じめじめとする感触も和らぎ、旅をするのにちょうどいい。
日が昇り、私たちをゆっくりと照らす空はどこまでも澄んでいる。
空気も寒い大陸だからこその美味しさがあって、旅の再開はとても良いものになりそうだ。
「ラスはこれからどうするの?」
私たちを見送るラスに当然のごとく聞いていた。
仲間になろう、そんなことはお互い望んでいない。
でも社交辞令と親睦を深めた仲だからこそ、今後のことは知りたかった。
ラスたちの一族はこれからヒースと戦うのかもしれないのだから。
「とりあえずは動かずに余生を楽しむさ。戦となれば全力でこの身を捧げるがな」
「くれぐれもお身体には気をつけてくださいね」
途中で目を覚ましたヒスイもラスには打ち解けたようで、ラスの目を見て応えていた。
ラスは嬉しそうに笑っている。
もしかしたらこれが最後の場面になるかもしれない。
でも私の旅は今までがずっとその道のりだった。
ヒスイと出会って誰かと出会うこと、別れることの重大さに気づいた気がした。
「じゃあね、ラス。元気で」
「ああ、二人ともな」
そう言い残して私たちは雨上がりの洞窟を去った。




