アリスはどこへ。2
「それで、あなたたちは自分のしたことをわかっておられるのですか?」
衛兵に連れ去られた後、私たちは城の謁見の間に連れてこられていた。
取り押さえられたのだから速攻獄中かと思ったが、そこまで薄情ではないらしく、私たちが旅人だと知って説明をしてくれた。
私たちが衛兵から逃してしまったのはアリス。
この国の王女だ。
ホワイト王国は今現在アリスが政治的実権を握っているが、そのアリスが政治を行わずどうやら逃げているらしい。
その秘密らしきものを知っているのは王城に使えるもののみ。
つまりは私たちも重要な秘密を知ってしまったことになる。
「王女だとは知らずに逃してしまったことは申し訳なく思っております」
王女の側近だと思われる青年に詰め寄られ、私は謝罪の意を述べるが、青年はもう既に解決するための案を頭に浮かべているに違いない。
私たちがその案を言わない場合は、解放条件としてその案を提示してくるだろう。
先ほどから警備が薄い。
この話を聞かれたくはないのだろう。
逃げることもできるが国境を越えるのが大変になる。
最悪の場合、越える際に捕縛される可能性もある。
「それでは、その意をどう示されますか?」
やはり、私たちに協力体制を取らせる気でいる。
金で解決できないのはこの青年がよほどわかっているだろう。
つまりはその力を持って償えと言うことだ。
「えーと」
「そこまでにしなさい。ノース」
青年の名を呼んだのは、赤いマントを羽織ってはいるものの、もうその威厳がなくなった元国王と呼ばれる男性だ。
情報ではもう亡くなったとされる人物がこの城にはいる。
この国の情報は確かではないことが多そうだ。
「旅人の方。我が娘が迷惑をかけたようだ。だが、私もこのような状況でな。この城を統治できぬ。そこでだ。報酬は弾む。だからこの国の問題に手を貸してほしい」
「国王! ですが」
「いいんだ。私の育てが甘すぎたんだ」
この国では贅沢な生き方しかできないと言われている。
国王が何を望んでそうなったかはわからない。
でも今の国王を見るにその現状は国王の願いとはかけ離れているのだろう。
「ライラ殿、ヒスイ殿。どうか頼む」
この国から見る国王像とはかけ離れている。
でも今目の前にいる国王が本来の姿なのだとしたらどれほど今まで苦労しただろう。
夢と現実は違うのだと思い知らされる。
力強い目で訴えてくる国王に首を振ることはできず、私たちはこの国の問題に関わることを決意したのだ。
「わかりました」
「恩に着る。ノース、二人に情報の開示を」
ノースと呼ばれる青年はやや不満そうではあったが、私たちを別室に案内した。
その後国王とは別れ、私たちはこの国の問題に目を開くのだった。




