ステータス設定(努○値振り)
先週一週間ずっといそがしかったので今日死ぬ気で執筆しました。
訓練が終わった後は、運動をした後特有の心地いい汗をシャワーで流して、そらたちは食堂に向かった
今日は少し気になっていたステーキを食べてみた。
ジューシーな脂が、噛んだ時にじゅわっと溢れ出してきて、幸せをもたらしてくれた。
が、それも幸福だったのは最初だけで、食べ進めるうちにだんだんと脂がもたれてきて、食べ終わった時には結構胃にきた。
異世界では全体的に体を動かすことが多いため、脂っこいものが好まれるのだろうが、日本人のましてや少食のそらには堪えるものがあった。
なんだかんだ言いつつも美味かったステーキの満腹の余韻に浸りつつ、今度は図書館へ向かった。
最近読書にハマり始めている。前まではあまり本を好んで読むタチではなかったのだが、最近は至福の時間になりつつある。
が、アニメや漫画も見たいなぁと軽いホームシックに陥っている。
閑話休題。
あの後、しばらく魔物の弱点部位や、魔法の種類などを学んだ。
もしかしたら支援魔法は使えるかもしれないと術式を調べてみたが、残念ながら本当に強化魔法しか使えないようだ。
そんな都合のいいことは存在しないらしい。
はぁ、とため息をこぼす。
そらはイマイチだったが、他の支援魔法組はまさにチートと言った破格のスキルに目覚めているらしい。
花凪は複数人を同時に回復する、超級の魔法をすぐに使える上、光属性の上級の攻撃魔法も使える。
彩女は蘇生術にとても長けているようで、青い顔をしながらも魔法を唱え、死者を蘇らせたのだという。更に強化魔法も中級程度は使えるらしい。
他の生徒も続々とチート能力を開花させている。複数の属性が使えず、強化魔法しかできないそらとは大違いだ。そらは段々と差を広められている__そう感じ、焦っていた。
しかも教官から教わったが、強化魔法は成功するかどうかは確率らしく、だいたい30%ぐらいなのだという。
さらにこれは魔法を「付与することに成功したら」の話で付与するのも50%の確率で失敗するらしい。つまり15%ほどしか成功しない。そして、強化魔法は一つの物体につき、付与できるのは一つだけらしく、二つ目を付与したら上書きされるらしい。失敗した際は上書きされないようだが。
(なんてこった。これは巫女さんがあんな真顔になるのもわかるわ)
なるほど、確かに世界を救う即戦力にもなる可能性がある勇者の一人がこんな無能だとわかると悲しく?なるのも当然だろう。
(じゃあ俺はどうすればいいんだい)
異世界に来てもあいも変わらず、居心地が悪い。まだ地球の方が静かに寝ていれば凪を乱すようなことはなかったし、昔は嫉妬だった視線も段々とドロリとした粘着質な見下すようなものに変化していっている。
力を得ると他人を従えさせたい。そう考えることはある意味自然なことではある。思春期とはそう言うものなのだから。
だがそれの矛先が向いてしまうのはやはり花凪と関わり過ぎてしまったからだろう。もっと冷たく突き放していればこんなことになっていなかったかもしれないし、受け入れるとも拒絶するとも半端な態度をとっていたのも良くなかった。
昔からの優柔不断が出てしまい、苦虫を噛み潰したような顔をする。
そらははぁと何回目かもわからないため息をこぼすしかなかった。
♢♦♢♦♢♦
「よし! 全員集まったな!」
翌朝、訓練場と言うよりは運動場、体育館という表現が会うような狭い空間でプチ雑学が始まった。
ドラフィティは声を張り上げた。
「お前らには、今日はステータス設定をしてもらう! ステータス設定っつーのは、攻撃、素早さ、防御、魔力、魔法防御、幸運度の6つのステータスの数値をどのように割り振るか決めることだ。今から俺が実際にやって見せる。よく見ておくようにな!」
ドラフィティはそう言うと、前にステータス鑑定をした水晶に手をかざした。するとどこぞのゲームのような画面が出てくる。
なるほど、ステー○スオー○ンは常にできるわけではないらしい。ちょっと悲しい。とちょっぴり悲しくなるそら。
ホログラム?でできているであろう青いパネルをしばらく操作したかと思ったら、指を指す。
「これだ、各ステータスの部分の近くに+とーがあると思う。それで初期値である200を「伸ばしたい」と思うステータスに振り分けてくれ。200全部振ってもいいし、少しずつ振ってもいい」
このポイントは攻撃で言うと、4振ることで攻撃にもよるが、ダメージが1増えるらしい。
(これ、ポケモンの努○値じゃん、4振れば増えるとかまんまじゃん)
そしてこのポイントはステータスポイントというらしく、一つのモンスターにつき得られるポイントが設定されているようだ。
(まんま努○値じゃん、っていうかどうやってステータス増えてるんだよ、怖すぎるだろ)
某人気ゲームの隠し要素である努○値とほぼほぼ一緒であることに驚きを隠せない。違うところといえばステータスを選ぶことなく振れるため、こちらのほうが少しだけ拡張性が大きいところだろうか
「まあ、基本的にお前たちは支援魔法を使うから、魔力以外あまり振る理由がないがな」
ドラフィティはガハハと笑いながらそういう。
「団長、この幸運度っていうのは、どういった効果なんですか?」
花凪が手を上げて質問をする。
「そのままの意味で、即死魔法、強化魔法、蘇生魔法の成功率や強化魔法の命中率等確率に左右される魔法の成功率をあげるものだ。が……」
団長が言い淀む。
「あまりこのステータスに振ることはおすすめしない。このステータスだけ、ポイントを200振らないと確率が上がらないんだ。しかも上がるのも1%だけだしな」
これに振るくらいだったら物量を多くするために魔力に振るという場合が多いらしい。それもそうだ、しかも一回のモンスターとの戦闘で得られるポイントも1~10後半あたりとのことだから、よほどのポイントに余裕があるものしか振らないだろう。
「ま、このあともモンスターを倒せばポイントを得られるから、そんな悩まず、直感に従って決めてくれ」
実に適当に言ってのける団長。
(振らないほうがいいって言われたけど……強化魔法は上位のものが使えないから消費MPは大きくないし、確率が上がったほうがいいだろうから、全部振ろう)
あんまり考えることなくそらは幸運度にふる。これで強化魔法の確率は1%上昇した。
右に素早く腕をスワイプさせるとホログラムは消えた。
そらが水晶から離れるのを確認したドラフィティは声を張り上げる
「さて、ここからはペアを組んでもらう! ペアを組んでこちらで用意した課題をこなしてもらうぞ! じゃあ、ペアを組め!」
ドラフィティの声は野太くどこまでも響き渡る。
その声はそらの頭の中でずっと反響する。
(オワタやん)
陰キャが世界で一番無理なお願い
ペアを組んでください。
もちろん組める相手がいるわけもなく、だいたい体育の先生か英語の先生がペアになるっている誰得っていう結果になるっていう地獄。(?)
(神よ、哀れな子羊をお救いください)
「藤田さん、私達と組みませんか? 先客の方がいらっしゃるのなら、いいのですが、一緒にできたら楽しいだろうなぁと思って…」
神がいた。
とそらは思ったが、それは悪魔の笑みを浮かべる邪神だった。
「藤田? 無理して組まなくていいと思うよ? 流石に酷でしょ」
彩女がそらのことを心配して声を掛けるが、
「だ、だだ、大丈夫……だよ?」
「全然大丈夫じゃなさそうだから深呼吸しよう、藤田」
動揺のあまり声が震えるそら。
なぜここまで彼は動揺しているのか。
それはあまりにも服が破廉恥だったからだ。
露出がとても多く、花凪の抜群なスタイルが強調されているなどという言葉では表せない、そう、それは唐揚げにタルタルソースぐらい合う組み合わせ!
(タルタル作った人って天才だよね)
などと心のなかで意味不明な現実逃避でつぶやいてしまうぐらい彼はダメージを食らった。
悪魔の囁きでしかない。
支援魔法は男子はそら以外いない。つまりそら以外は全員女子ということになる。
別にそらは女性に対する耐性がないわけではない……わけがない。むしろかなり弱い。
体操服の女子さえも見れないというのに、胸元の上部分が大胆に露出されている服を着ている女子を直視できるのかという話ではある。
しかもそらは本当に今気づいたのだが周りの女子が全員そんな格好をしている。
彩女もとても際どい格好をしている。これは一応魔法の威力を上げて、消費魔力を抑えたり、魔法に対してとても強い素材が使われていたりするのだが。
ちなみにそらが他の女子は気づかず、なぜ花凪のそれには気づいたのかというと、本人は全くわかっていないが、異性的な好きが多分に含まれていて、ついそちらの方を見てしまう現象がおきた故、気づいたのである。
軽く失神しかけつつも、なんとか課題を終わらせ、即刻部屋に戻りベッドにダイブ。
そらはこれでベッドダイブ何回目だろうか。と考えつつ、しばらくベッドに頭を打ち付けていたが、しばらくして落ち着き、食堂へ向かった。
ラーメンを食べた後、図書館へと向かった。
とても顔が火照っていた。
高評価お願いします
※これはラブコメではありませんが今回のようなものが暫く続く可能性があります
タルタル最高!