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side空① 勇者転生

テスト期間で遅れました

無事学年一位取りましたわ!

 強烈な不快感が彼_藤田空を襲う。

 耐え難い吐き気が気分をとても不快にさせ、吐きそうになるがなんとか堪える。が、それもほんの数秒で収まった。体が徐々に可視化されていく。粒子のようなものは集まってやがて空の体を構成する__

「っと。」

 軽い声と共に空は異界の大地に降り立った。周りを見回してみるとどこまでも白い空間が続いている。質素で、控えめな装飾が施されていて、儚く美しい部屋の内装は和を彷彿とさせる構造だった。

 不思議な部屋だと空は思った。何故か見たことのあるような謎の既視感を覚えるようなそんな部屋だった。

 しばらく部屋の内装に圧巻されていた空だが、人の存在に気づくとその方向に向き直す。

「こんにちは、そしてようこそ。ベルセイユ王国へ。異界の勇者様。私は~あなたたちの~俗に言う異世界にて~巫女をしている~セレスティア・トラムアニマ3世といいます~以後お見知りおきを~」

 優雅に一礼しつつ女の子がそう告げる。満面の笑み。伏し目がちな女の子から放たれる笑顔は殺意の中臣鎌足なのだがそんなことをされても空の困惑は消えることはない。

(は? 何を言っているんだ、この目の前の女の子は)

「へ? い、異界の……勇者?」

「そうですよね~最初は混乱されますよね~……あなたは~私の召喚術により~_いや、正確には創世神レヴェナさまによるご加護なのですが~……召喚されたのです~」

「い、いやいや、どゆこと……創造神?」

 危な目の宗教に絡まれ拉致されたのか……と今になってようやくこの女性がヤバい人なのかもという考えが空の頭によぎった。

 見た目からは全く想像することができないため疑ってなかったがありえなくはないだろう。

「ここは異世界です~。あなたは~俗に言う~異世界転生をしてこちらの世界に来たのです~」

(ゑ?)

 空の頭の中は真っ白になった。そう、無地のキャンパスのように何も考えられなくなった。

 (異世界……一度だけ庶民の本、いわゆる_ラノベで読んだことがあるぞ。だいたいこういったものは地球に帰れなくなるらしい。つまり俺は誘拐されたも同然?)

「な、何が……目的なんだ……?」

 警察が到着することができない、自分を守るのは自分だけという危機的状況に追い込まれたことで無意識的に足が震えだす。

「あ、大丈夫です~あなたを痛めつけたりそういったことをするつもりはありません~あなたには、邪神の討伐をお願いするだけです~」

「邪神……?」

「ああ、邪神というのは、魔獣や魔人などの頂点、神です~その神が人間に危害を加えてきたので~討伐をお願いしたいんです~」

「俺は武器の扱いにおいては素人なんだが……?」

 特に剣術などは習っていないからそんなことをするのは不可能。そう空は思ったが_

「大丈夫です~。あなたの職業は『勇者』。スキルも剣技などのスキルはありますし~魔法適性も全属性ありますし~素人でも帝国の騎士団が鍛え上げるので~」

(なんか俺はよくわからんが勇者なるものになったらしい)

 満面の笑みで圧力をかけられる。

 単純に考えて、空がこのまま捨てられたり、傷つけられたり殺されそうになっても抵抗することができない。目の前にいる彼女も年は20行っていないだろうし、見た目も小学生と大差ない体つきだが、余裕そうな態度から相当手練れと見える。

 つまりここで拒否をしても生きる道はない……

(これ、ほぼ強制ってことか)

 もう召喚された時点で詰んでいる_そのことを瞬時に空は察し、

「わかった、じゃあ案内してもらいたい。よろしく頼む」

 そう頭を下げた。

 できるだけ敵愾心を抑えつつ、媚を売って優位な立ち位置を確保したいと考えた結果取った行動だが、これがうまくいくだろうか_

「いえいえこちらこそ~、邪神討伐、お願いします♡」

 可愛らしく微笑むとどこかに歩き始める。

 それに空はほぼほぼ無意識でついていく。

 惚れていると気づくことなく。

 操られかけていると気づくことなく__

 巫女はついてきているのを確認すると

「ちょろいですね~」

 と誰にも聞こえないように言った。

 その後、空は幾何学模様が書かれたものの上に立った。

 また、あの不快感が襲い、気づいたときには城のような場所についていた。

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ちなみに幸運度極振りの神様たちいつ出てくるんだよ!と思った方いらっしゃいましたら、安心してください。50作以内に出します。あ、すいません冗談です__!あっ__(ry

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