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???ダンジョン:第二階層

階段を降りると、その先には扉があった。扉を開けると、さっきまでさまよっていた一階層と同じ景色が広がっていた。一階層より全体的に道は広くなっているが、大体は同じような作りになっていた。僕はマッピングを忘れずに探索を開始する。道中ゴブリンに会ったが、服が軽くなったことやクロスボウを使ったり、短刀にも充分慣れたきたので、比較的安全に対処することができるようになっていた。

魔物について一階層と変わったところは、魔物の出現率が少し多くなったということくらいかな。


「結構倒したな。それにこれの使い方も結構わかってきたし好調だ」


左手に装着したクロスボウを見て、笑みを浮かべながらに言う。戦闘スキルは着々と高くなってきている。ゴブリンを簡単に倒すことができる程度にだが。

そんな中歩いていると、ある壁に違和感を感じる。その壁を触るとやはり手は壁に透けて奥には部屋が続いている。

この部屋も休憩できるようなものが置いてあったが本棚はなかった。しかし机に一冊本が置いてあり、手に取って読んでみると魔物の情報らしきものが書いてあった。その魔物は基本的にはゴブリンやホブゴブリンと同じなのだが、ゴブリンにもホブゴブリンにも当てはまらない点があったのだ。『魔法を使う』と書いてあるのだ。しかしただそれだけであり、その魔法がどんなものなのかは本には記されてはいなかった。


「とにかく見たことないモンスターに会ったら魔法に気をつけるようにしよう。そういえば、ここはゴブリンは入ってこないし安全だな。そうだ!だったらこれからここと同じ部屋をセーフルームって名づけよう。これでマップに書くときに困らない」


マッピングしていた紙に今の場所をセーフルームと書き込む。これでいつでもここに戻ってこれるだろう。


「今のところ安全だし寝ようかな。他にもセーフルームを見つけたらちゃんと書きこんどかないとな」


どのくらい寝たかは分からないが、起きて食事と水分補給を取る。


「もう時間間隔とか無くなっちゃったな」


準備運動を済ませて、またマッピングを開始する。

第二階層は道も長くなっており、マッピングには時間はかかったが、なんとかまたホブゴブリンと戦ったときと同じ部屋に辿り着いた。一息ついて、部屋の中へと入る。しばらくして魔法陣が浮かび上がり何かが出現する。


そこに現れたのは、ホブゴブリンだった。しかし、前の階層で戦ったホブゴブリンと決定的に違ったのは棍棒ではなく、杖を持っているということだ。杖を持っていることから、本に書いてあったモンスターは今、目の前にいる奴だと確信する。奴を呼ぼうとするのなら、ホブゴブリンメイジといった所だ。僕は距離を詰めずに相手の様子を見ている。


すると、ホブゴブリンメイジは何かの詠唱を始めた。詠唱が終わると、杖の先から人間の頭の大きさくらいの炎の球が出来上がり、こちらに飛んできた。炎の球はゴブリンの足よりは速かったが、以前より軽装になったことで難なく躱す。しかし、間を置くことなくホブゴブリンメイジは詠唱を始める。今度の詠唱はさっきの詠唱と少し違うように感じた。僕の耳は正しく、今度は水の球を放ってきた。けれど、球の要素が変わっただけであり、これも難なく躱していく。


その後も、氷、闇、光など属性を変えて攻撃してきたが僕は躱し続けることができた。しかし、雷の球を躱したときに球から伸びた小さな雷に肌が触れ、静電気程度の痛みを感じたことをホブゴブリンメイジに気づかれ、それ以降、雷の球ばかりを撃ってくるようになった。僕は少し鬱陶しく感じていたけど、連続で撃ってくるからなかなか距離を詰められない。


「でも、こういう時のためにこれがある!」


大方相手のやり口が分かったところで、ホブゴブリンメイジが詠唱している間に、僕はクロスボウに引っかかっている矢を放った。矢は杖を持っている腕に当たり、ホブゴブリンメイジは悲鳴をあげ、詠唱を中断する。そしてそれと同時に僕は走り出した。僕は腕を狙い、ホブゴブリンメイジの両腕を切り裂いていく。腕を潰せば杖を横薙ぎに払われたりはしなくなり近距離の対処はできなくなると考えたからだ。


ホブゴブリンメイジの両腕を傷だらけにし、行動を制限させてから安全に攻撃に移る。首をめがけて一閃。刃は深く入り込み、ホブゴブリンメイジの命を奪った。しばらくして、ホブゴブリンメイジの体は光になって部屋一帯に降り注いだ後、部屋の中央に集まり箱の形になっていった。その光景に驚いていたけど、ホブゴブリンを倒した後のことを思い出す。


「そういえば、気にしてなかったけど、ホブゴブリンの死体も消えていたっけ。この前は僕も倒れこんじゃってこの光景を見ていなかったな」


と納得した。そして、箱を開ける。中に入っているのは紙切れ一枚だった。

読んでみると、そこに書いてあったのは“ファイアボール”の扱い方だった。これに興味津々で飛びつき、すぐに読み終わると試しにその場で発動してみる。手を前方に向けて開き、言い放つ。


「ファイアボール!!」


すると手の平から炎の球が放たれる。流石にまだホブゴブリンメイジが放った大きさほどのものではないが。手のひらを確認してみると火傷などはしていなかった。


「やった!やった!僕にも使えた!ゲームとかアニメの中でしか縁のないと思ってたものが僕にも使えたぞ!」


拳を握りしめて喜びを表しす。


僕がファイアボールって言って使えたから、あのゴブリンも自分の言語でファイアボールって言ってたのかな。言葉が短いから攻撃が連続で飛んできたのかな。そういえば最初の部屋にあった本の一冊に書いてあったような。


魔法は行使する者がどれだけその魔法を使ってきたかで威力が変わったり、ファイアボールみたいに一単語だけじゃなくて、もっと長い言葉、詠唱が必要な魔法もあるって。なんかワクワクしてきた!


そんな事に思い馳せながら魔法を連射していく。使い続けていると気分も魔法の威力も不調子になったが、休んだらまた本調子を取り戻した。充分満足するまで撃った僕は機嫌よく三階層へ繋がる階段を降りていった。


奏太は魔法に夢中になって気づいてはいなかったのだが、本調子で撃つファイアボールはもうすでに、ホブゴブリンメイジの撃っていたものよりも大きくなっていた。

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