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ミロウのダンジョン

セントルを出て、ミロウのダンジョンの入り口まで来ていた。入り口にも受付があるようだ。


ちょうど中から人が出てきた。でも、見た目はギルドで見たようなものではなく、立派な鎧を着ておりいかにも騎士という見た目だった。他にもピッケルを持った人も見かけた。この国には騎士団のようなものがあるのだろうか。もしそうなら国家も動いてダンジョン探索を進めていることになる。


少し想像を膨らませているとアルマタリスがチョンと横腹を突いてくる。そろそろ僕たちもダンジョンへ潜ろう。僕たちは受付の女性に向かった。


「こんにちは。依頼で来たのですが」


「こんにちは。ハンターさんですね。では、ライセンスをいただけますか」


ポケットからライセンスを出して渡す。受付の人が僕とアルマタリスのライセンスを触ると、ライセンスから空中に映像が浮かび上がった。そこには僕が受けた依頼が表示されていた。


ライセンスってそういう機能もあったんだ。今度色々と見てみよう。


「ありがとうございました。確認が済みましたので、どうぞ中へお入りください。中には他のハンターもおりますのでご承知ください。ご健闘を祈っております」


中へと進み、階段を降りると、久しぶりの景色に出会う。この殺風景を見るとダンジョンだって強く感じる。


「さあ、行きますか」


相変わらずアルマタリスはこくりと頷くばかりでそんな様子に悲しくなりつつも探索を開始する。


とはいってもマップは渡されていたのでその通りに進んでいくと早速ボス部屋に着いた。第一階層は一本道でもう探索し尽くされたのか魔物はいなく魔素の気配すらしなかった。


ボス部屋の扉を開けようとした時、アルマタリスが話しかけてきた。


「焔様から奏太さんの成長のためということで私の戦闘の参加を控えるように言われました。なので戦闘には極力参加しませんがもし危ない事態になれば私がサポートします」


「分かった。ありがとう、助かるよ」


セントラルの地下ダンジョンで見たアルマタリスの力は凄まじいものだった。その協力があるのならとても心強い。ともかくこれからは1人で戦っていくことが多くなりそうだ。


一息ついてボス部屋に入る。迎えてくれたのはオーク三体だった。二体は剣を持っていて、残りの一体は弓を使うようだ。


剣の二体は僕を挟むように展開して迫ってくる。そのオークとの距離はまだあり、僕は余裕をもって対処する。弓のオークががら空きだ。


僕はウルをそのオークに投げる。ギルドの地下の戦闘を思い出し、今度は避けられないようにウルを空中で蛇行するように魔力で操作しウルの軌道を読ませない。


その作戦は見事成功し、オークが困惑している間にウルが届いた。首に命中したウルをすぐに僕を引き付けるように魔力を流し両脇のオークの間合いに入る前に挟み撃ちの状況を抜け出す。


そして左のオークにはファイアボールで目くらましをして、右のオークに向かって走る。オークから振り下ろされる剣を逆手持ちにしたウルで受け流し、ギフトで斬り抜ける。振り向いて最後の一体を見据えると、もう絶命していた。


ファイアボールもこんなに威力が強くなったのか。強くなった分気をつけて使わないといけないな。


僕が攻略したダンジョンとは違い、宝箱は出なかった。それに倒したオークは消えずにその場に残っていた。死体は素材として持って帰ったほうがいいのだろう。


解体か・・・やったことないし、やることに嫌悪感がある。だけどハンターになった以上避けては通れない道だ。それに何かを嫌がっているなんてかっこ悪い姿をアルマタリスには見せられない。とりあえずライセンスに魔物の処理について何か書いてないかな。


そう思い、さっきの受付の人がライセンスにしていた操作を真似すると映像が浮かび上がった。映像の中には魔物の図鑑のカテゴリーがあった。それを開いてみると、3ページにオークの情報が浮かび上がってきた。どうやら、素材として使うのは牙らしい。それに食用として肉も納品可能となっている。素材の取り方まで記されていた。さすがに肉を解体できるわけはないから牙だけ持っていこう。


ライセンスってめちゃくちゃ便利なものだな。ハンターになっておいてよかったよ。これで色んなこと知れるようになったし。そうだ、ついでにダンジョンのことも調べてみよう。


だけどダンジョンについては特に新しい情報はなくダンジョンの生い立ちがよく分からないってことは、東水の佐倉さんが言ってたのと同じだった。


他にはライセンスにマッピング機能があることやその使い方、ダンジョン内での取り決めなどがあった。その決め事の中にダンジョン内で倒したモンスターは必ず燃やしておかなければならないというのがあった。


そうしなかったことが発覚すると、一か月間ダンジョンに入れなくなるようだ。何度も繰り返すと罰金と出禁だそうだ。それを読んでから再び地面を見てみると、確かに灰色の粉らしきものが所々に細々と散らばっていた。


僕はオークから牙を抜いた後、三体ともしっかり火葬しておいた。もう先に進む扉は開いている。僕は第二階層へと足を踏み入れた。


二階層目からゴブリンなどの魔物が道中に現れるようになった。魔物を倒しつつマップを頼りに進んでいくとあっさりボス部屋まで着いていた。焔が用意したダンジョンよりはなんだか道が単調だ。すぐに次の階層に行けることはいいことなんだろうけど。


二階層のボスはオークと狼が合わさったような見た目をしているモンスターが相手だった。体からは獣の毛が生えており、四足歩行でオークよりも鋭い目つきをしている。しかし、それ以外はオークのものであった。不釣り合いで少し許容しがたかった。とりあえずオークウルフとしよう。


僕がオークウルフを観察していると、相手から動き出してきた。速い。その巨体で獣並みに速いなんて、と驚いてしまった。そのせいで回避が少し遅れ、掠ってしまった。けれど、それだけで僕は吹き飛ばされてしまった。急いで受け身を取ってオークウルフから目を離さないようにする。


するともう一度突進を仕掛けてくるようだ。それを僕はしっかりと腕に力を込めて、すれ違いざまに右前脚を斬りつける。確かに速さと力はさっきのオークたちとは段違いだ。けれど、見切れる。


自分についた傷が深いことに感づいたオークウルフはまた突進をすることはなく、二足歩行に切り替えた。そして詰め寄ってくる。速さは若干遅くなっていたが、誤差の範疇だった。真向勝負すると力で負けるのは目に見えている。


だから僕は加減をせずにウルを放った。ウルはオークウルフの首を突き抜け、壁に勢いよくぶつかる。首がないままこちらに向かってくるオークウルフの体を避けて、ウルを回収する。正面から首を見せてしまえば、今の僕のウルはそこに届く。


またライセンスでオークウルフを調べようとしたけど絵とその名前しか載っていなかった。名前はピンポイントにオークウルフだった。安直な人がいたものだ。絵と名前だけで詳細な情報はなかったのでまだ解析が進んでいない新種のモンスターなんだろう。一応オークウルフからも牙だけ獲って火葬に移る。


まだまだ体力的には大丈夫だ。アルマタリスの体力も大丈夫か確認してみると余裕の表情だった。それはそうだろう。66階層も戦い続けてラスボスにまで勝ってしまうのだから僕よりも体力はあるのだ。ならばこのまま三階層に降りてみようか。


三階層は道中、魔物こそ変わらないが、その量が多くなっていた。でもウルがあるので難なく倒していける。さすがにゴブリンキングとかが相手になったらウルだけじゃ無理だとは感じるが幸いそのレベルの魔物は出現しないようだ。


ライセンスの中に入っているマップを開いて三階層の地形を確認する。三階層もそう複雑じゃない。ここからなら直線でボス部屋まで向かえるな。


ボス部屋に入ろうとすると、中から音が聞こえてくる。どうやら戦闘中のようだ。四人組のハンターが闘っているようだ。魔物の横取りはご法度って書いてあったし、見守っておこう。


しかししばらくしても戦闘は終わらず、ハンター側が押されいるように見えた。敵は黒色の鎧に包まれたオークで手には大剣と盾を装備している。ライセンスで調べたところオークナイトと呼ばれる魔物らしい。オークナイトの鎧は自身の強力な魔素が結晶となったもので非常に高価なものだという。そして装備が整っているので攻守に優れた魔物らしい。


助けに入ってもいいのか。でももしそれでルールを破ったことにされたら・・・って、人の命が懸かってるんだぞ!迷うことなんてないだろ!


僕はウルをオークナイトに投げながら、ボス部屋に入る。オークナイトはウルに気付き、一度身を引いた。その隙に僕はオークナイトとハンターの間に入る。


「大丈夫ですか!?」


振り返える余裕はなかった。ひとまずファイアボールで牽制する。ファイアボールは盾に防がれたが立ち込んだ煙がオークナイトから視界を奪う。


「お、お前、奏太か・・・?」


「え?」


まさか名前を呼ばれるなんて、僕は異世界で有名になったつもりはないんだけれど!

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