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中本とシャツの男の反応で、俺はすぐに理解した。
二人が、すぐさま両側に離れる。
中央に鼠色のスーツの男は、風格がある。
鋭い目は、なんだか怖い。今まで見たことがない鋭い目で、俺を見ていた。
「よお、小僧」
「お前は?」
「若葉を呼べ」
そのまま持っている拳銃を、俺に向けていた。
全く迷いがない、その目は俺をはっきりと見ていた。
「それでも再葉は渡すわけには……」
だけど、俺の言葉が終わらぬうちにスーツの男が引き金を引く。
その拳銃は俺の頭をかすめた。俺の頭のてっぺんの髪の毛が、何本かハラハラと落ちていく。
それを見た瞬間、俺ははっきりと震えていた。
「お前の感想は、聞いていない」
凄みの増した顔は、迫力があった。
俺ははっきり言って怯えていた。
(怖い怖い怖い)
あの男は、確実に俺を殺す気だ。
全く迷いをなく、ためらうこともなく俺を殺せる男だ。
だから、俺は単純に怖かった。
だけど、死んでしまえば再葉に会えなくなってしまう。
(どうする、俺は?)
「さあ、選べ。最終宣告だ」
スーツの男は、俺に強く言い放っていた。
俺の心は、体とともに揺さぶられていた。




