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一年彼女  作者: 葉月 優奈
八話:一年彼女の人ならざる姿
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中本は嘘をついているようには見えない。

少なくとも、ここではすべて本当のことを話している。

彼女の感情や、彼女の言葉に嘘はない。

手をほどかれた俺は、目の前の中本を見ていた。


「中本の気持ちは、よく分かった」

「ならば……」

「それでも、俺は若葉を呼べない」

俺はそこでも、中本の要求を否定した。

それと同時に、中本は俺の手を振り払う。そのまま俺の頬を平手打ちだ。


「なんでよ?あなたはバカなの?」

「再葉は俺の彼女だ。彼氏が彼女の思いを……」

「あなたは、若葉が何をしたのか知っているの?再葉に対して」

「あの爆弾は再葉が望んでしたことで」

「それは違う。若葉は再葉を消し去りたいのよ。

若葉の一族は、不死者を殺す一族だから」

「なんだそれ?」

「若葉の家、四十万家はもともと不死者を殺す代々の一族。

しかし、雲吞に寝返った女。彼女は常に裏切りをして生きてきたのよ」

中本は、バカにしたように言っていた。


「若葉が?」

「そう、彼女は打ち手。彤弓は、四十万家の伝統の弓。

あの弓は、不死者の体力を一時的に奪う弓なの」

「時間逆流じゃないのか?」

「それは永遠に治らないし、治すことは不可能。

全ての人間には、時間が流れていてそれを止めることはできない。

たとえそれが、不死者を止める四十万一族といえどもね」

その言葉に、俺は疑問があった。


(若葉は、再葉をどう思っているのだろうか)

若葉と再葉は、全く血がつながっていない。

だけど、一つ屋根の下で若葉が再葉を育てているような環境だ。

若葉のいる『ユズリハ』も、正直詳しい陣容はわからない。

勧誘だけはされたのだけど、俺は保留していた。


「あなたは若葉を信用しているの?」

「それは……」

「信用していても、していなくてもいい」

そんな俺らの前には、一人の男が現れた。

それは、鼠色のスーツを着た男だった。

拳銃を構えて、ゆっくりと現れるその男には強い殺気が感じられた。



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