表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一年彼女  作者: 葉月 優奈
八話:一年彼女の人ならざる姿
97/161

097

俺は中本が求めることをわかっていた。

だからこそ、じっと俺は中本を見ていた。

それは怒りにも似た感情をこめていた。


「俺が、若葉に連絡する理由は?」

「わかっているんでしょ」

「再葉か?」

「ご名答」お茶らけて手を叩く中本。

「なら断る」

俺は、中本の提案を断った。

その反応を見て、俺の襟元を掴んできた。


「死にたいの?」

「俺は、再葉を売る真似はできない」

「でも、その再葉に会えなくなるわよ」

「お前らに、引き渡したって同じだ」

俺は一歩も引かない、後ろでは銃を構える音がする。

男は俺に対していつでも、引き金を引く様子だ。


「あら、そう感じるの?雲吞は再葉の本来の家なのよ」

「それは違う」

「若葉に教育されたのね、かわいそうに」

哀れんだ顔を、見せてきた中本。


「教育じゃなくて、これは俺の……」

「なら、見せてあげる」

そういいながらセクシーなチャイナ服を、中本が脱ぎ始めた。

薄手のチャイナ服を脱ぐと、そこに下着姿の中本の体が出てくる。

だけど、全身はアザが入っていた。


「あなたは見たことないの、再葉の体」

「俺はその……」

「再葉も、同じアザがあるの。

彼女は隠しているだけ、化け物であり不死者の証が」

そんな中本が、俺の手を握って自分の体のアザに触れさせた。

そのアザは、柔らかい女の肌にザラザラとした触感があった。


「これは、体が時間逆流を絶えた体。

この体がある以上、雲吞以外では生きられない。

それは、普通の社会では無理。

若葉では、再葉を管理できないのよ」

「しかし、それでも若葉は……」

「だから、若葉から取り戻さないといけない。

かわいそうな、かわいそうな再葉を」

それは、中本の悲しそうな顔でもあった。

苦しそうな顔を見せた中本に、俺は圧倒されていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ