091
翌日の俺は、日常が待っていた。
それは学生という日常、昼休みだ。
いつも通り教室でご飯を食べると、そこに現れたのは恵理那だ。
「なんだ、恵理那か」
「ええ、何よ?嫌そうな顔をして」
「そんなことはないけど」
「あたしはあるから」
恵理那は、俺に迫ってくる。だけど恵理那に対して、俺は冷めた目を見せた。
「なんだ?」
「最近、本郷君は元気ない」
「そうか、いつも通りだが」
「いいえ、何か困った顔をしているから。進路にでも迷っているの?」
「いや、そうじゃない」
「じゃあ、何でそんな顔をするの?」
「俺がそう見えるのか?」
恵理那に対して、パンを持ったまま俺は顔を見合わせた。
俺と目が合った瞬間に、恵理那は不意に目をそらす。
「そう見えるから、言っているんでしょ」
「そうか、気を付ける」
「中本さんでしょ」
「それも違うかな。恵理那」
俺は首を横に振った。
「じゃあ、なんなの?私に相談できることはない?」
「ああ、それは大丈夫だ。これは恵理那の手にも負えないことだ」
「どういう意味?私が頼りないっていうの?」
恵理那は、不機嫌な顔を俺に見せてきた。
頼れるクラス委員長は、俺を睨むように見ていた。
「そうじゃない、恵理那は頼りになる」
「えっ、そんなことを言われても」
「頼りになっても、これはどうしようもないことだ」
「家族のこと?」
「いや、違うけど……」
「あら、何の話をしているのかしら?」
俺と恵理那の中に、突然中本が割り込んできた。




