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一年彼女  作者: 葉月 優奈
七話:一年彼女の隠された秘密
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休憩を終えた俺は、いつも通り厨房に戻っていた。

厨房で、俺は調理三昧だ。

仕事も、今日は割と客が多くて忙しい。


「今度は、本郷こっちのオーダーを」

「はい」先輩の指示を受けて、次のオーダーをこなす。

手際よく俺は、ハンバーガーを完成させていく。

だが、忙しさは一向に変わらない。夜になっても珍しく、今日は忙しかった。


(忙しいな、これ)

手を動かしながら、仕事をこなす。

そんな中、俺はふとカウンターに目を向けた。


「あれ、響」

響の後ろ姿が見える、誰かと話をしているのだろうか。

だけど客を見て、俺は驚いていた。


「香音」そう、そこには香音がいた。

ミニツインテールの髪に、穏やかな顔で響と何か話をしていた。

そうだ、香音は裏の世界の人間。

俺は思わず忙しい厨房を離れた。


「香音、どうして」

「あっ」その香音は、ハンバーガーの紙袋を三袋も両腕に抱えていた。

普段は無表情な香音だけど、少し照れているような顔を見せた。


「おまえ、それは」

「何、買いに来ただけよ」

「お買い上げ、ありがとうございます」

思わず、俺は頭を下げた。

俺が作った料理を、買っている人がいるからだ。

単純な感謝の気持ちを、俺は素直に態度に現した。


「ど、どうも」

「いやぁ、こうやって買ってもらえて、素直にうれしいぜ。しかもこんなにたくさん」

「はい、一人で食べるのですが」

「一人って……」

「香音は、一人暮らしですよ」

それは、いつもながらに落ち着いた顔を見せていた。

その言葉を聞いて、俺は少し冷静な顔を見せた。


「香音は、両親はいないのか?」

「いません」

「兄弟とかは?」

「いません」

「じゃあどうやって……」

「香音は、逞しいので一人でも生きられますから」

「マジかよ、すごいな」

「冗談です」香音は、いたって冷静だ。

その言葉は、全然冗談に聞こえない。


「香音は、若葉さんにちゃんと保護されていますから」

「若葉さんが?あの人は一体……」

「私たちの保護者です。

再葉も、美来も、同じように香音も保護されています」

「そうか」

「ちょっと何の話をしているの?」

そうだ、ここはレジだ。響が俺と香音のやり取りを見ていた。


「いや、その……」

「それより、あなたは周囲に気をつけた方がいい。

あなたは、誰かに尾行されているから」

「え?」

「香音にやった時のように、後ろをよく見た方がいい」

そんな言葉を残して、最後に香音が立ち去っていた。

俺は、一瞬後ろを振り返ったが怒っている厨房のリーダーが俺を睨んで腕組みをしていた。



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