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一年彼女  作者: 葉月 優奈
六話:一年彼女を知る転校生
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今日の芙蓉は、珍しく俺と別々に来ていた。

それは、前日のラインにメッセージがあったからだ。

中本が、こんなことを言うなんて珍しい。

最も、遅刻するかもという理由つきではあるが。意外と遅刻なしで中本が現れた。


「本郷君、ほら姫だよ」

「投げやりになるなよ、飛鳥」

「そうだね」だけど飛鳥は、中本を気に入っていないようだ。


「まあ、そういわないで。用宗(もちむね)さん。

私と健斗は、そういう関係じゃないから」

「そうなの、ケンタ?」

「うん、特別な関係ではない」

「将来の婚約者よ」

そういいながら、中本が俺に抱きついてきた。

だけど、今の俺はそんな中本に凛とした態度で挑む。


「これ以上、俺に絡むな」

「あら、どうしたの?」

「中本、あまり俺になれなれしくするなよ」

それは俺が、強張った顔を見せていた。

そもそも中本に従っているのは、俺は再葉のことを知らないからだ。

知って、出会った以上中本に従う必要性がない。


「そう?健斗」

「ああ、俺は中本のことは嫌いじゃない。

だけど、すごく好きでもない。少しはベタベタするのをやめてくれないか?」

「そう、わかったわ」

中本は、意外にも冷めた様子で俺から離れていく。


「でも、いいの?」

「何がだ?」

「そんな露骨な態度したら、私は困っちゃうなぁ」

甘えた声を見せてきた中本。中本が、俺の耳元でささやく。


「ねえ、あなたに確認したいことがあるの。

放課後、屋上でお話をしない?」

そう言い残して、中本は俺から離れていった。

それからその日は、放課後まで中本が俺に絡んでくることは一度もなかった。



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