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一年彼女  作者: 葉月 優奈
六話:一年彼女を知る転校生
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翌日の朝、俺は学校に来ていた。

昨日のあの銃撃戦は、たちまちニュースになっていた。

近所のニュースは、学校の噂になる。

学校の教室にいた俺は、その噂を聞かされることになった。


「昨日、銃弾が住宅街で聞こえたって。

どうも打ったのは、軍人みたいで」

「その話、何回目だ。隣町だろ」

「まあ、そうだけどね。でもすごく物騒だよね」

俺の机に来ているのは、飛鳥だ。話している飛鳥は、どこか嬉しそうだ。

その現場は、まぎれもなく俺がいたあの場所だ。


昨日の夜に、車に打ち込まれた銃弾。

その銃弾を、近所の住人が目撃された。当たり前だがそこから警察に連絡があった。

美来は、倒れた軍人を置いて俺たちは逃げていった。


「逮捕されたのは、中国人よね」

「ああ、そうらしいな」

捕まった人間は、中国人だった。

俺は、車の中で隠れていただけなので細かいところは見ていない。

ただ、車が突然発進して俺のいるマンションに向かった。

スマホで、香音がどこかに電話していたが詳しいことはわからないままだ。


「住所不定の中国人、怖いわね」

「ああ、恵理那か」

そこに出てきたのは、クラス委員の恵理那だ。

いつも通り、長い髪の恵理那が不安そうな顔を見せていた。


「まあ、それはそうだよな。そんな中国人が、町の中にいたら怖いもんな」

「ねえ、本郷君は守ってくれるの?」

「え?」

「私たちや飛鳥が、そんな中国人に襲われたりしたら?」

「うーん」

それは言えない。俺は昨日の軍人に出会い、何もできなかった。

俺は、普通の高校生だ。


美来と違う。

再葉とも違う。

住んでいる世界が違う。

絶望的に、世界が違うのだ。

そんな人間に、俺は何かできるのだろうか。

俺のような普通の人間は、無力でしかない。


「俺は助けるとか言えない、一緒に逃げると思う」

「そうなの……そうよね」

なんだか、恵理那が少しガッカリした顔を見せた。

隣の飛鳥も、俺の顔を見て冷たい目線を送る。


「そんなものは……」

「おはよう、みんな」

そんな時、教室に一人の女子が入ってきた。

それは中本 芙蓉。俺が姫と呼ぶ女が現れた。



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